1. 基礎的な問題は必ず得点

本番の直前となる冬休みの学習は貴重です。1日(24時間)の使い方を熟慮し、有効に活用することを心がけます。自宅学習では志望校対策を進めましょう。各校の過去問(実際の入試問題)で出題傾向を確認し、それに合わせた復習や演習をていねいにおこないます。

苦手意識をもつ教科(科目)が不安な受験生がいるかもしれません。その場合は「ほとんどの受験生が解けるような基礎的な問題を取りこぼさない」という目標をかかげ、各単元の基礎の復習を徹底しましょう。「ここまでのレベルなら解ける」と自分の力を高めて、本番で出題されても、基本的な問題は確実に得点につなげることをめざします。

イラスト・若泉祥子

2. 朝型のリズムへシフト

夜遅くまで勉強をつづける習慣が身についている受験生がいるかもしれません。冬休みになったら本番に照準を合わせ、生活のリズムをととのえます。

頭の働きが活発になるのは起床してから3~4時間ほどたってからといわれています。みなさんが第1志望にかかげる学校の入試は午前中におこなわれる場合がほとんどではないでしょうか。本番で力を発揮するために必要なことは、早寝早起き! 朝型の生活スタイルにこの時期から切り替えましょう。午前中は集中力が高まっているともいわれています。国語の読解や算数の図形、理科の物理・化学分野など、じっくり考える問題を冬休みの午前中に取り組むのもいいかもしれません。

イラスト・若泉祥子

3. 体調管理も重要な取り組み

受験生のなかには冬休み以降、合格に向けての取り組みを加速させるあまり、からだに負担をかけてしまうケースがあります。無理のしすぎは絶対に禁物です。たとえオリンピックの選手でもコンディションの調整がうまくいかなければ、結果はともないません。受験生も同じです。本番に向け、体調管理はもっとも重要な取り組みの一つと考えてください。

「調子が悪いかな」と感じたら、思い切って休息をとります。こじらせたら、かえって大きく影響をおよぼす心配があります。インフルエンザなどにかからないようにマスクを着用し、うがいや手洗いも徹底し、乾燥にも注意。しっかり対策をとったうえで勉強に向き合いましょう。

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4. おおらかな心と正確な手続き

入試が近づいてくると、受験生は不安な気持ちになるものです。保護者のみなさんも同じような状態になるかもしれません。それでも家庭では受験生に対しておおらかに接してあげてほしいと思います。

「少し真剣味が足りないかも……」といった印象を受験生から受けることがあるかもしれませんが、私たちの経験では、本人は不安をかかえて心細くなっているものです。保護者はあわてず、あせらず、あたたかい気持ちで見守りましょう。

一方、準備は冷静に対処することを忘れないように。併願校への出願もれなどがないよう、気をつけてください。受験生を応援しながら、正確に手続きを進めることも保護者の大事な役割です。

イラスト・若泉祥子

(朝日小学生新聞2024年12月7日付)