上から読んでも、下から読んでも同じ
「回文」のおもしろさって?
12月21日(1221)は「回文の日」といわれています。回文とは、上から読んでも下から読んでも同じ音になる言葉や文章のこと。回文の本を書いている、せとちとせさんに、そのおもしろさやつくり方を聞きました。(関田友衣)

逆さまにした言葉から思わぬ意味を発見
「はげ頭に、またアゲハ」。会社の先輩から聞いた回文に衝撃を受け、自分でもつくり始めたというせとさん。「竹やぶ焼けた」「私負けましたわ」など、子どものころに知った有名な回文も、記憶に残っていたといいます。
言葉は、逆さまにされるためにできたわけではありません。なのに、逆さにすると、思わぬ意味が隠れていることを発見します。たとえば、「ルリカケス」という鹿児島県・奄美大島などにすむ鳥は、逆さにすると「スケカリル」。頭に「タ」を足すだけで「タスケカリル(助け借りる)」という別の意味の言葉になります。そこから生まれたのが「ルリカケス、助け借りる」という回文です。
このように、逆さにして文字や言葉を足すだけで、変な世界が生まれる。この「びっくりがおもしろい」そうです。
「リオのバカ、飛びこむコビトカバの檻」という回文。「パッと聞いただけでは、何を言っているのかわからないですよね。そこで軽い緊張が生まれるんだけど、これが上から読んでも下から読んでも同じだとわかると、とたんに緊張がほどける。それが笑いになります」
会話やテレビから、ふと耳に入ってきた言葉で回文ができそうだと、「話の中身を聞かなくなってしまう(笑い)」とせとさん。みなさんも回文をつくり、そのおもしろさを味わってみてはどうでしょう。

回文は長いものもありますが、短いほうが切れ味がいい。ふつうでは考えられない言葉の組み合わせが生まれるのもおもしろいんです。口に出したときに気持ちがいい回文はいい回文。ローマ字回文もあるんですよ。

3ステップでつくってみよう
回文のつくり方
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