38度こえる熱など 発症まで1日~3日

43都道府県で「警報レベル」

厚生労働省は9日、去年12月23日~29日の間に全国約5千の医療機関から報告されたインフルエンザの感染者数が、31万7812人だったと発表しました。一つの医療機関あたり64.39人で、いまの方法で数えるようになった1999年以降、一番多くなっています。

九州地方で特に多く、9日現在、秋田、山形、富山、沖縄県以外の43都道府県で「警報レベル」です。入院している人は5144人で、前の週から1.7倍に増えました。

インフルエンザウイルスに感染すると、38度以上の高熱や頭痛、関節や筋肉の痛み、のどの痛み、鼻水、せきなどの症状が出ます。感染から発症まで、およそ1日~3日かかります。

症状が出たら、病院へ。多くの場合は治療薬で症状が落ち着きます。ワクチンを接種しておくと、感染しても症状が出なかったり、軽くおさえることができたりします。

同時流行 基本の感染対策を

新型コロナウイルスやマイコプラズマ肺炎なども流行しています。年末年始、大勢で食事をしたり、移動したりする機会も多かったでしょう。今後、感染者がさらに増える可能性もあります。

感染を防ぐには、基本的な対策をすることが大切です。こまめな手洗いやアルコール消毒で、ウイルスなどがついた手で口や鼻をさわって感染する「接触感染」を防ぎます。

せきや会話で口から出る小さな水滴「飛沫」でも、ほかの人にうつります。人混みに行ったり、体調が悪かったりするときには、マスクを着けます。

家族に感染者が出た場合には、できるだけ別の部屋で過ごすようにしましょう。空気を定期的に入れかえ、感染した人は食事は1人でとります。みんなが使うトイレやお風呂、ドアノブ、蛇口などをこまめに消毒したり、家の中でも手洗いしたりするのも大切です。

イラスト・すぎうらあきら

コロナ禍以降、流行開始が早い傾向

Q(質問) いつ流行しやすいの?

A(答え) 日本では例年12月~3月ごろですが、コロナ禍以降、早く始まる傾向があります。

Q 新型インフルエンザって?

A いま主に流行しているのは「A型」と呼ばれるウイルスです。これまで流行したウイルスの特徴に当てはまらないものを新型インフルエンザといいます。かかったことがある人が少ないため、感染が急速に広がります。

Q 世界的な流行は、どんなものがあった?

A 1918年から「スペインインフルエンザ」が大流行しました。全世界で2千万~4千万人が亡くなったといわれています。57年には「アジアインフルエンザ」、68年には「香港インフルエンザ」が世界的に流行。2009年にも新型インフルエンザが発生し、日本では1年ほどで約2千万人が感染しました。

(朝日小学生新聞2025年1月15日付)