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子どもの緊張は運動でまぎわらす

いよいよ入試本番、メンタル(精神)を安定させて乗り切るには、どんなことを心がけたらいいでしょう。

たとえば試験日の朝、緊張で心臓がバクバクになってしまったら? 安浪さんのおすすめは「なわとびや50メートルダッシュ」。一度、運動によって心拍数をグッと上げると、その後のバクバクが、そこまで気にならなくなるそうです。また、本番の朝は、日課として計算問題などを解く子も多いですが、ミスしても落ちこまず「これが入試本番じゃなくてよかった」「受験の神様が教えてくれた」と考えるのがいいといいます。

試験会場で受験生を不安にさせるのが、想定外のトラブル。気分が悪くなったり、消しゴムを落としたりといった事態に備え、「手をあげて試験官に伝えられるよう、あらかじめ家で練習しておくといいです」。

イラスト・みわまさよ

不合格の時の気持ちの立て直し方は…

受験が始まると、早ければ当日にも合否が発表されます。受かる場合もあれば、落ちてしまう場合もあります。「初めての不合格を受け取った子は、大きなショックを受けます。泣きたくなったら、がまんせずに思いきり泣いて!」と安浪さん。お父さんやお母さんもはげましてくれるはずですが、「だれから元気をもらいたいか? 塾の先生など2~3人、事前に家族で話しておくといいかも」。

受験スケジュールの組み方によっては、不合格の結果を受け取ったその足で、別の学校に向かわなくてはならないケースもあります。そのときは、「次こそは絶対合格」と気負いすぎるのではなく、「学校によって問題の攻め方はちがう」と考え、その攻略法を確認し直すのが、気持ちを切り替えるコツだといいます。

親は「SNS見ない」が鉄則

本番期間は、保護者も気持ちが不安定になりがち。受験校の倍率やほかの受験生の合否にふり回されないため、SNSは見ないのが鉄則です。

また入試当日、あれこれアドバイスすると、負担に感じる子もいるので、「なにを意識したら、悔いなく受けられそう?」と質問し、子どもに答えさせるのがいいといいます。

「これまで勉強を続けて、入試当日、志望校の門をくぐれたというだけで、もうかけがえのない経験と成長をしている」と安浪さん。子どもも保護者もそのことに自信を持ち、本番をむかえましょう。

安浪京子(やすなみ・きょうこ)

 中学受験専門プロ家庭教師「アートオブエデュケーション」代表。著書に『【決定版】中学受験をするきみへ 勉強とメンタルの悩みを解決!』(大和書房)など。