農作物や生ごみなど、食べ物があることを学習

この冬、冬眠しているはずのクマがさまざまな場所に出没しています。山内さんは「冬眠しないクマは昔からいます。狩猟者から、冬山でクマを見たという話も聞きますが、この冬は人里にごく近いところでの目撃が目立つ」と話します。

クマの冬眠時期は、秋にどれだけのえさが得られたかで変わります。えさが少ないと早く冬眠し、多いとおそくなります。「動物園のクマが冬眠しないのは、飼育員が毎日えさをあげているから」

冬もクマが目撃される理由は、人里においしいえさがいっぱいあることを学習した、人慣れしたクマがいるから。そうしたクマが冬眠せず、農作物や生ごみ、家畜のえさなどを食べにきているといいます。「どのクマも、いつかは冬眠すると思います。人気のない倉庫や廃屋で冬眠するクマが増えるかもしれません」

ヒグマ ©朝日新聞社
ツキノワグマ 富山県提供

冬に限らず、人里に出るクマが増えていると山内さん。特に人口が減り、放置された農作地などえさがある場所には、クマが集まりすぎる状態になっているそうです。

「昔の日本人は、野生動物をつかまえてよく食べていましたが、今の人は手出ししない。クマが人里に出やすい状況が生まれているのです」

野生のクマ、本来は冬眠するはず

えさが少ない冬、飲み食いせず寝る

日本に野生で生息するクマは、ヒグマとツキノワグマです。ヒグマは北海道に、ツキノワグマは本州と四国にいます。ヒグマとツキノワグマは大きさがだいぶちがっていて、岩手大学准教授の山内貴義さんによると「ヒグマはかなり大きく、体重は300キロをこえるものも。ツキノワグマは、大きくても120~130キロくらいです」。

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