花粉症の季節がやってきました。くしゃみや目のかゆみなどになやまされる人もいるでしょう。こうした症状を引き起こす主な原因は、スギの花粉です。日本にはなぜ多くのスギが植えられているのでしょうか。その理由と、花粉症をおさえる取り組みを紹介します。(正木皓二郎)

スギ花粉、2月初めから 四国や近畿は非常に多く?
日本気象協会によると、今年のスギ花粉は、2月上旬に九州から関東の一部で飛び始め、2月半ばには関東より西の広い範囲で飛ぶ見こみです。2月下旬には北陸と、東北の南部でスギ花粉のシーズンをむかえるとみられます。

花粉の飛ぶ量は例年に比べて、ほとんどの地域で多いといいます。四国や近畿は非常に多いところもある一方で、東北の北部は例年より少ない予想です。
ピークは、東京都や福岡県などで2月下旬からとなりそうです。3月上旬からは、宮城県仙台市や大阪府など広い地域でピークになると予想。各地ともおおむね例年並みの時期で、10日間から1か月ほど続くといいます。
ヒノキの花粉のピークは例年より早く、5日間から2週間ほどと予想しています。
スギとヒノキ まっすぐな針葉樹
木は「針葉樹」「広葉樹」と呼ばれるグループに分けられます。スギとヒノキはどちらも針葉樹で、幹がまっすぐに育ちます。
スギは軽くて加工しやすく、ヒノキはかたくて、じょうぶという特徴があります。スギの葉は針のようにとがっている一方、ヒノキの葉は表面がより平らで、ウロコのようになっています。


戦争や経済成長で大量の木が必要に
そもそも花粉症とは、体が花粉を異物と判断して抗体をつくり、再び入ってきた花粉に対抗しようとして起こるアレルギー反応です。くしゃみや鼻水、目のかゆみのほか、皮膚があれたり、ぜんそくになったりする例もあります。原因の7割はスギ花粉によるものとみられます。それは、人が植えたり育てたりしたスギ人工林が理由の一つです。
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