

【国語編】☆From 灘
年明けから3月までは入試シーズンとよく呼ばれます。私の勤務する灘校でも中学・高校入試を行いますし、高校3年生は大学入試まっただ中です。
さて、入試の採点をしたり、受け持ちの生徒たちと接したりしていると、言葉についての力を身につけておくことの大切さをよく感じます。というのも、そのような力が不足しているために文章の意味を正しく読み取れていなかったり、自分の伝えたいことを正しく表現できていなかったりする場面をよく目にするからです。
言葉についての力と聞くと、四字熟語やことわざ・慣用句の知識を想像する人も多いでしょう。もちろんそれも重要ですが、それ以上に、たとえば「おもねる」や「後ろめたい」といったより単純な形の言葉(単語など)についての知識や、それを使いこなす力が重要なのです。さらに、「必ずしも」や「まだ」、「も」といった、短いながら文全体に影響をあたえる言葉を見落とさないようにしたり、「カメレオン」のような言葉が何をたとえているか理解したりすることも重要です。

このような言葉についての力は、四字熟語やことわざ・慣用句の知識とは異なり、文章をしっかりと読むことによって身につけるしかありません。特に新聞や本をたくさん読んでください。これらは言葉のプロたちが言葉や文章をチェックする「校閲」という段階を経ているので、言葉を正しく学ぶのにも適しているのです。
灘中学・高校 国語科教諭 槇野祐大
(朝日小学生新聞2021年2月26日付)

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