プロ野球のヤクルトは19日、球団マスコットのつば九郎を支えてきた社員スタッフが亡くなったと発表しました。体調をくずして活動を見合わせていました。球団はウェブサイトに「球団マスコットとして、ここまで育ててくれた功績に感謝と敬意を表します」と記しました。今後の活動については「しばらくの間休止」となるそうです。

つば九郎は1994年にデビュー。1人のスタッフが担当してきました。愛らしいルックスなどで人気を集めていました。

※ここからは2015年12月15日付の記事の再編集です。ヤクルトがセ・リーグで優勝したこの年、朝日小学生新聞は、つば九郎に筆談でインタビューしました。

夢を語った10年前の筆談インタビュー

退化して小さくなった翼に、まん丸のおなか――。球団マスコットの「つば九郎」は、ペンギンにまちがわれることもあるけれど、いちおうツバメ(英語でswallow)です。1994年にデビューし、雨の日も晴れの日もチームを支えてきました。

つば九郎にとって4度目となる優勝は、実に14年ぶり。優勝を祝うビールかけにも初めて参加し、選手たちと喜びを分かちあいました。

リーグ優勝を決めて、選手と神宮球場をまわるつば九郎=2015年10月2日、東京都新宿区 ©朝日新聞社

自身も6月に「快挙」を成しとげました。球団マスコットとして、初めてホーム主催の1500試合連続出場を達成。次に目指すは「2000試合連続出場」です。達成したあかつきには「くにをあげてひょうしょうしてほしい」とだいたんな発言も飛び出しました。

つば九郎は、2009年から毎年、球団と契約更新を行っています。リーグ最下位となった昨シーズン後の契約更新では、前の年の年俸1万2千円から初のダウンとなる9千円でした。優勝に貢献した今年は、大幅アップをねらっています。期待する額でなかった場合、「はつのほりゅうもあります」と球団にゆさぶりをかけます。

つば九郎は記者の質問に筆談で答えます=2015年11月、東京都品川区、松村大行撮影

日本中を飛び回りたい

いたずら好きで、自由ほんぽうな発言が人気の秘密。活躍の場は、本拠地の神宮球場(東京都新宿区)にとどまらず、テレビやイベントにも出演しています。

さぞかし忙しいのではと思うと、オフシーズンは「いがいとひまなので、しごとをください」とのこと。

「飛べないツバメ」のつば九郎ですが、今後はチームをもっと全国に広めるため、文字通り日本中を飛び回ることが夢です。

朝小を熱心に読むつば九郎=2015年11月、東京都品川区、松村大行撮影

(朝日小学生新聞2015年12月15日付を再編集)