座間耀永さん 高3

ニュースにふれる機会に

座間耀永さん(東京都・高3)は「子どもノンフィクション文学賞」小学生の部の大賞など、これまでにたくさんの作文コンクールで入賞してきました。

去年3月には大人が対象の「Reライフ文学賞」長編部門の最優秀賞を受賞。2023年に亡くなったお父さんの闘病を書き記した作品は、『父の航海』として去年、出版されました。

『父の航海』(文芸社)

小学校低学年から卒業まで朝小を読み、姉妹紙の朝日中高生新聞も中1からずっと読み続けています。もともと文章を書くのも読書も好きでしたが、新聞をとり始めたころは紙面の内容がすべてわかってはいなかったといいます。

読み続けるきっかけになったのは、山本ルンルンさんの連載まんが「はずんで!パパモッコ」(去年3月まで連載)。「毎日、続きが楽しみでした。それで自然と新聞にふれる機会が増えたのかな」とふり返ります。

朝小にのるまんがには、ニュースの解説や英語の勉強になるものなどもあります。「やっぱりまんがは頭に入ってきやすい。朝小は漢字にふりがながあり、ニュースを短く簡単にまとめた記事などで、小学生のうちからニュースにもふれられて、すごくよかったなと思いました」

紙面にのっている子ども向けのイベントやコンクールの情報もよく見て、応募したといいます。

小3からは、紙面づくりに参加できる「朝小リポーター」になりました。リポーターは、身近なできごとを伝える作文コーナー「リポーター通信」に投稿したり、アンケートや取材に協力したりします。

リポーターも面白いよ

座間さんもリポーター通信に投稿しました。でも最初は採用されませんでした。あきらめずに送り続けるうち、紙面にのるようになり、4年間でほかの欄もふくめて70回以上も掲載されました。

「今でもですが、私は人見知り、場所見知り(知らない場所でとまどうこと)」と座間さんはいいます。でも、いろいろな人に会って文章を書いてみたい気持ちもありました。そこで取材にも挑戦。宇宙開発をする会社「スペースX」の工場や、3Dプリンターで服を作る会社の人たちにインタビューしました。

小4のとき、スペースX社の実験装置の横に立つ座間さん=2017年1月、アメリカ・カリフォルニア州ホーソーン

言葉の力をみがき、社会へも目を向けるようになった座間さん。高2のときに、言葉の持つ力を同世代に広めようと、非営利型一般社団法人「AZBande」を設立しました。オンラインの子ども向け作文教室から始めて、今では大人にも書く楽しさを伝えています。

「朝小が、小さいころから活字やニュースにふれる機会をあたえてくれたことは大きかったと感じます」

この春、大学生になります。将来の夢は「まだ決まっていません」。進学するのは、いろいろな分野をかけ合わせて学べるところです。新しい学びの環境に「楽しみ」とほほえみます。

 「最近、若者から気持ちを表す言葉が減少していると聞き、活字ばなれを実感しました。私がニュースを取り入れられたのは新聞のおかげ。小学生新聞で、ニュースとかわいいまんがを同時に楽しめる点が大きかったと思います」

座間さん

座間耀永(ざま・あきの)

 東京都出身、高校3年生。AZ Bande代表理事、朝中高特派員。小3から朝小リポーターを務め、小4から数々の作文コンクールで入賞。著書に『父の航海』(文芸社)

座間さんの朝小活用術!!

1 最初はまんがからでOK
 連載まんががきっかけで毎日、新聞にふれるように。ニュース解説のまんがも内容が頭に入りやすくてよかった。

2 イベントやコンクールの情報もチェック
 紙面から小学生向けのイベントやコンクールの情報を得て、よく応募していた。

3 朝小リポーターの活動が世界を広げてくれた
 リポーター通信で文章が紙面にのる、活躍する大人たちへの取材をするなど、貴重な経験を積めた。

朝中高特派員として、アーティスト・経営者のSKY-HIさん(右)にインタビューした座間さん=23年4月 関口達朗撮影
朝日中高生新聞では24年に、書く楽しさを伝える「言葉の力」という連載もしました

ほかのみんなはどう読んでいるのかな

音読いいよ~

 ぼくは、朝小の「ニュースあれこれ」や「天声こども語」を音読しています。声に出すと内容が頭に入りやすいです。ニュースの内容を正しく知りたい人や、めんどうなことが苦手な人に音読をおすすめします。(東京都・6年)

ハムサンド本つくったよ♥

「ハムサンドさんを待ちながら」をコミックみたいにとじて、一冊の本にしました。つくってみたら、教科書や絵本は、大変なのに良くできているなあ!と思いました。100年前の建物や洋服の色が、新聞紙とよく合っています。(兵庫県・4年)

(朝日小学生新聞2025年3月3日付)