
3月から旬をむかえるパクチー。独特なにおいや味がする香味野菜です。実はそんなパクチーには、知られざる魅力がたくさんあります。パクチーアカデミー協会理事長の渡邉泰雄さん、事務局長の飯塚徹さんに話を聞きました。(関田友衣)


地中海周辺が原産 日本では茨城県などで生産
パクチーは、タイ料理のトムヤムクン、ベトナム料理のフォーなどに使われます。東南アジアの野菜と思われがちですが、原産地は地中海周辺。アジアだけでなく、インドや中東、ヨーロッパなど、世界各地で栽培されています。

「日本での生産地は、福岡県や静岡県、千葉県、茨城県など。岡山県もパクチーを推していて、備前国総社宮で『岡山パクチー奉納祭』も開かれています」(渡邉さん)
飯塚さんによると、パクチーが日本にやって来たのは平安時代。「当時の文献では、肉や魚の臭み取りに効果があるとされていました。時代が進むと、皮膚の病気や口臭除去にも効果があると紹介されるようになりました」
古代エジプトの女王・クレオパトラは、肌にいいという理由でお風呂にパクチーをうかべていた――。古代の医学書にはそう記されているといいます。

気になるにおいには、なんとカメムシのにおいや加齢臭の成分がまざっています。虫から身を守るため、においを放ちます。
「でも人間の中には、あのにおいが苦手な人もいれば、大好きという人も。『パクチーを鼻の穴に詰めたい』という人もいました(笑い)」(渡邉さん)
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