竹中工務店がつくる休憩用の建物
4月13日に大阪市の夢洲で開幕する大阪・関西万博では、さまざまな新しい技術が紹介されます。建設会社の竹中工務店が手がけた休憩施設「森になる建築」もその一つ。やがて自然にかえる材料を使って、3Dプリンターでつくりました。万博が終わってもごみにならず、長い時間をかけて森になるといいます。(中塚慧)

種をすきこんだ和紙をはる➡10年後に森の一部に
微生物が分解してくれる
「森になる建築」は直径4.65メートル、高さ2.95メートルの建物が二つあります。2月下旬、夢洲の会場で実物を見せてもらいました。
中に入ると、丸く開いた天井から青空が見えます。座席には約10人が座れます。未来の建物のような新しさを感じつつ、洞窟に入ったようでもあり、不思議な感覚になりました。
目をつけたのは、微生物の働きで分解される生分解性プラスチック。そうした材料を使って、接合部分がない一体造形でつくった世界最大の3Dプリント建築として、ギネス世界記録に認められました。
「万博が終わった後にごみではなく、森になる建築をつくりたかった」と、設計を手がけた竹中工務店の山﨑篤史さんは話します。アイデアがうかんだきっかけは、2000年代に開かれたオリンピック会場の一つが、10年後に荒れ果てた姿になっていたと報道で知ったことです。「たった半年間の万博のためにたくさんの建築をつくり、捨てられることはあってはならない」。そんな思いから、やがて自然にかえる材料にこだわりました。
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