国土地理院が調べ直す
日本一高い山で知られる富士山。その標高の基準となる目印「三角点」を国土地理院が調べ直したら、これまでより5センチ高くなったことがわかりました。人工衛星のデータなどを使った方法で、より正確な数値を出せるようになったためといいます。(前田奈津子)

人工衛星のデータも活用、より正確な数値に
三角点は正確な位置をはかる測量に使われるもので、山の頂上などに設置されています。去年、富士山の三角点の標高を調べたところ「3775メートル56センチ」で、これまでの「3775メートル51センチ」より5センチ高くなりました。
富士山の最高地点は三角点より約60センチ高いところにあります。今回、最高地点の標高を計算したところ、富士山の標高は3776メートルという数字自体は変わりませんでした。

調べ直したのは、課題があったからです。これまでは人による作業が中心で、多くの時間がかかりました。全国の地点の作業を終えるのに10年以上かかるそうです。
また、地震や火山の噴火などさまざまな要因で、地球の表面部分(地殻)は盛り上がったり、しずんだりして変化しています。そのため、時間がたつにつれ、今の状況とちがいが生じることもありました。
そこで、人による作業に加え、人工衛星のデータなどを活用することにしました。調べ方の研究や分析が進んだことで、時間も縮めることができます。人工衛星を活用すると短い時間でデータが集められ、より正確な結果が得られるといいます。
国土地理院は、全国1003の山の標高などの情報を見直し、今月から新しい情報を提供することにしました。



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