
電源不要 つくるのもやるのもおもしろい
デジタルゲームが大好きという人も、ぜひボードゲームのおもしろさにふれてみませんか? 18日に『ボードゲームづくり入門』(岩波ジュニアスタートブックス)という本を出す、おもちゃクリエーターの高橋晋平さんにその魅力を聞きました。(関田友衣)

おもちゃクリエーター 高橋晋平さんに聞く
ボードゲームは、すごろくやオセロ、トランプ、UNOなど「電源を使わないゲーム」を指します。高橋さんは、これまで50種類以上のボードゲームをつくってきました。
初めてボードゲームをつくったのは、高校3年生のとき。友だちから「三目ならべ」ができる木製のおもちゃをプレゼントされました。三目ならべは3×3のマスに、2人が交互に○と×を書き、3個ならべたほうが勝ちとなります。
「三目ならべはうまく進めると、必ず引き分けになってしまうんです。そこで、引き分けにならないようゲームを改造。盤に上の世界と下の世界をつくり、どちらかでコマを3個1列にならべたら勝ちというルールにしました」
このゲームは高橋さんが就職したバンダイで商品になりました。

仕事として、「カタン」や「デュエル・マスターズ」といった有名なボードゲームを勉強するようになった高橋さん。デジタルゲームにはまって夜ふかししてしまう人がいますが、「ボードゲームにも、寝ずにやりたくなるおもしろいものがたくさんある」そう。またボードゲームは小学生でもつくることができ、そのことを通して「自分という人間を探究できる」といいます。
高橋さんがつくったボードゲーム
「アンガーマネジメントゲーム 怒りのツボ・当て~る!」
メガハウス

カードに書かれた、怒りを感じそうなさまざまな場面に対し、回答者がどのくらいの怒りを感じるか、ほかのプレイヤーが予想して当てるボードゲーム。遊んでいるうちに、怒りやイライラを感じることが減っていくことが期待できます。
「日本アンガーマネジメント協会の方と一緒につくりました。かなりヒットしましたし、自分でもよくできたと気に入っているボードゲームです」
高橋さんの大好きなボードゲーム
「タイムボム」
アークライト

「時限爆弾(タイムボム)」をテーマにしたボードゲーム。爆発するのを止めたいタイムポリスと、爆発させたいボマー団に分かれ、それぞれ正体を隠しながら、駆け引きをくり広げます。
「タイムボムのどの導火線カードを切るかを話し合いながら切っていくのですが、すごくおもしろい! 会話をしながら、『村人』の中にひそむ『人狼』を見つける『人狼ゲーム』に似ています」
「カタン」
ジーピー

カタンという名前の島を開拓していくドイツ発のボードゲーム。道をしき、家を建て、街をつくっていくと点数が獲得でき、最初に10点になった人が勝ちです。
「コツコツ点数を重ね、あと1点とれば勝てたのに負けたという状況になると、本当にくやしい(笑い)。カタンほど、勝ちたいという気持ちにさせるボードゲームはなかなかありません!」
「シェフィ―Shephy―」
冒険企画局

カードを使う1人用のボードゲーム。「増やせよ」「産めよ」「統率」といったイベントカードを使いながら、1ぴきのひつじを千びきに増やしたらクリアとなります。
「トランプを使った1人用のゲームはけっこうあるのですが、それ以外のカードを使うボードゲームで1人用はあまりない。なので『シェフィ』はとても印象深いボードゲーム。私は夜通し1人で遊ぶくらい大好きです!」
高橋晋平(たかはし・しんぺい)
バンダイに入社し、「∞プチプチ」などヒット商品を生み出す。現在は、おもちゃなどの企画開発をする会社ウサギの代表取締役
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自分自身の探究へ
ボードゲームづくり
関心ごとをテーマに 特技を生かして
おもちゃクリエーターの高橋晋平さんは、小学校のほか中学校、高校などの「探究」に関する授業で、ボードゲームづくりを教えています。自分が関心のあることをテーマにしてボードゲームをつくることは、自分自身の探究につながるといいます。
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