中学生になると、ピアノ以外にも熱中するものができました。東京大学と大学院で理系の研究をしてからプロになりましたが、いまやコンサートのチケットがなかなか取れない人気者です。15歳から続けているユーチューブは、チャンネル登録者数が147万人にのぼります。

中高生時代、通学の電車の中でも夢中だったのは・・・

ゆいさん 大学受験もしていますが、開成中高ではどんなことをしていましたか?

――ずっとゲーセンにいたので、あんまりキラキラした思い出がなくて(笑)。音ゲーっていうのがあって、知ってる? 「太鼓の達人」とかやったことある? ああいうリズムに合わせてたたく、みたいなゲームがすごく好きで。高校2年生の秋に音ゲーの全国大会に出たのね。でも、思うような結果が出なくて。くやしさをバネに勉強をがんばろうと思って、大学受験を始めたんです。

1年後に同じ大会があって、やっぱりもう1回出たくなっちゃって。高3だから受験間近なんだけど、がまんできなくて出ちゃった。ベスト8で、1年前よりはいいところまでいったんだけど、それでも勝つことはできなくて。そのくやしさをバネに受験しました。

関口達朗撮影

中学は電車で通うことになるのかな? そうするとね、小学校よりも行ける範囲が増えるでしょ。楽しいんですよ。友だちと遊びに行く選択肢も増えるから。中学は、楽しいところだからがんばって。

ぼくは千葉から京成線で通っていたのだけれど、同じ京成線を使っている学校の先生がいて。ぼくが電車の中でこうやっていると(と、ピアノをひくしぐさ)、先生には「電車の中でもピアノの練習をしている真面目な学生だ」と認識されたんだけど、実際は音ゲーの練習をしているっていう(笑)。

ゆいさん 何で音大じゃなくて東大に入ったのですか? 東大時代、仲間とバンドを組んだって聞いたのですが、大学時代は角野さんに、どう影響していますか?

――東大を選んだのは、数学が好きだったし、東大に入っても音楽ができるから。どっちもやりたかった。

結局、東大に行っても自由時間はずっとピアノをひいたり、バンドをやったりしていた。バンドサークルがあって、そこで友だちとセッションをしたり、いろんな曲をカバーしたりするわけだけど、そのときは、それが将来仕事になるというのは、まだあんまり想像していなくて。でも、クラシックだけではなく、いろんな音楽を知ることができたから、いまの自分の活動にすごく生きている。ありがたいですね。

東大の卒業式に安田講堂の前で 本人提供

ユーチューブのきっかけも「音ゲー」

たいせいさん どうしてユーチューブをやろうと思ったのですか?

――最初は、15歳のとき。音ゲーやっていたでしょ。音ゲーのプレイ動画を上げたくてアカウントを作ったの。だから、最初はまったくピアノは関係なかったんです。

当時、ぼくより年上の人で、ユーチューブに動画を上げている人がいて。ああ、おもしろそうだな、ぼくもやってみたいなと思って、高校生のころに始めました。

ユーチューブの大変さは、更新し続けることです。みんなはいま、あんまりイメージがわかないかもしれないけれど、人って年を重ねるにつれて、だんだんいそがしくなっていく。ぼくもコンサートで世界を旅していると、ユーチューブの動画を作る時間を、むかしほどは取れなくて。でも、やっぱりやりたい気持ちはあるから、合間をぬってやるわけ。ぼくにかぎらず、ユーチューバーのみなさんは、それをずっと続けているからすごいよね、と思いながらやっています。

関口達朗撮影

ユーチューブやりたいの?

たいせいさん やりたいっていうわけではないわけではないけど、なんか気になりはします。

――ユーチューブ、よく見る?

たいせいさん はい、かてぃんくんのとか1週間に1回くらい。

――全然見てない(笑)。

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