温暖化防止や節電を 軽装で涼しく働く

クールビズは2005年、地球温暖化防止や節電を目的に、環境省の呼びかけで始まりました。軽装をすることで、冷房の使いすぎを防ぐのがねらいです。

当時は、真夏でもスーツを着て、ネクタイをしめるのが当たり前という考えが強くありました。そうした意識を変えてもらおうと、政府は、大臣がそろってネクタイなしで会議をする姿などを発信。だんだん広がっていきました。

12年には、クールビズをさらに進化させた「スーパークールビズ」が登場。前年に起きた東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故で、首都圏の電力が不足したことがきっかけです。節電を目的に、政府は、勤務時間をすずしい朝にずらして冷房利用を減らす工夫などを提案しました。

「室温28度」呼びかけず

かりゆしウェアを着て国会に集う大臣たち。中央は野田佳彦首相(当時)=2012年、東京都 ©朝日新聞社

環境省は現在、室温の目安としていた「28度」を呼びかけていません。猛暑の影響です。厚生労働省によると、24年6~9月に熱中症で亡くなった人の数は2033人と過去最多を記録。命を守るために「クーラーを適切に使い、体調にあった温度管理をお願いしています」と環境省デコ活応援隊の奥野祥大さんは話します。

「みなさんが大人になる10年後は、クールビズという言葉がなくても軽装が当たり前の社会になってほしい。そのために環境省は、さらなる普及に取り組んでいます」

屋外の作業の熱中症対策しっかり

働く大人の熱中症を減らす目的で、厚生労働省は企業に対し、屋外で作業する場合の熱中症対策を強化するよう求めています。対象となる作業は、気温や湿度などから出す「暑さ指数」が28度以上か、気温31度以上の環境で、連続1時間以上か1日4時間を超えるものです。

6月1日から企業に義務づけられるのは、熱中症のおそれがある人をすばやく見つけて連絡できる体制をつくること。そして、身体を冷やして医療機関に搬送するなど重症化を防ぐ手順を事前につくっておくことなどです。

からだを水で冷やすベストの背中側に冷凍ペットボトルを入れるところ。屋外で少しでもからだを冷やせるよう工夫がすすみます=2024年、東京都 ©朝日新聞社

暑さ対策のコツを知り健康に

専門家からアドバイス

5月24日、埼玉県

小学生が知っておきたい暑さ対策のコツを、横浜国立大学教育学部教授の薩本弥生さんに聞きました。

「子どもは汗をかく能力が未発達で、猛暑日のような気温が高い環境では、大人よりも熱がからだにこもりやすい」と薩本さんはいいます。熱中症のリスクをさけるためにも、「からだの熱を上手ににがし、すずしく過ごせる服」を選ぶことが大切です。

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