大阪万博の会場で体感できる

卵の殻の内側にあるうすい膜(卵殻膜)から生まれた繊維の名前は、オボヴェールといいます。卵を科学的に研究するファーマフーズ(京都市)が、すてられてしまう卵の殻を生かして2023年、新しい素材としてデビューさせました。

オボヴェールを使った生地は、万博でふれることができます。大阪ヘルスケアパビリオン内のファーマフーズのブースです。実際に上着をはおってみると、やわらかくてしっとり。さらっとした肌ざわりもあり新感覚でした。セーターなどの素材で人気のカシミヤに「やわらかな手ざわりが似ています」と、開発担当の古賀啓太さんは話します。

オボヴェールのルームウェア。2024年にモデル事務所のファッションショーで初めてひろうされました

肌にうれしい機能もあります。「オボヴェールの生地を身につけると、肌のしっとり感がアップすることが実験でわかっています。肌の水分をとじこめ、肌本来の働きを助けてくれるからです」

それを可能にするのが、卵殻膜がもつすごい力です。

ファーマフーズの資料をもとに作成

卵の不思議にみせられて…

ヒヨコを守る いのちの「おくるみ」

オボヴェールを作ったファーマフーズの原田清佑さん(左)と古賀啓太さん ファーマフーズ提供

卵殻膜はたとえるなら「ヒヨコを育むためのいのちの『おくるみ』です」とファーマフーズの原田清佑さんは話します。主にたんぱく質からできていて、ばい菌など外の刺激からヒヨコを守り、必要な水分や酸素は通します。炎症をおさえる力もあります。

卵殻膜の拡大写真 ファーマフーズ提供

原田さんたちは元々「ニワトリが21日間温めると、ヒヨコになる」という卵の不思議にみせられ、卵がもつ働きを生かした機能性素材の開発に取り組んできました。そんな中、SDGsへの関心の高まりを受けて、すてられてしまう「殻」を再利用できないかと考え、生まれたのが新しい繊維のオボヴェールです。

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