
いつも幸せを感じていられると素敵だけど、生きていれば色々あります。でも「幸せ」であることが良い、というのが一般的な認識だからこそ、「怒り」「不安」「心配」「失望」「嫉妬」などのネガティブな感情は悪者扱いされます。
だけどそれって、人として普通にある感情です。いやーなことを言われたら腹も立つし、期待していたことが起こらなければ失望もします。自分よりできる人を見れば嫉妬もするし、結果がどうなるかわからなければ不安になる。それなのに、私たちはネガティブな感情に襲われると自己嫌悪に陥るのです。
問題なのは留まること 鍵は問題解決能力
ネガティブな感情自体は人として普通でも、そこに長く留まることが問題なのだと思っています。留まれば留まるほどネガティブの沼にはまっていき抜け出せなくなる。
そうなる前に、ネガティブな感情から気持ちを切り替えることです。その作業をするのが回復力(レジリエンス)。
回復力とは、ストレスや困難なことに直面した時に立ち向かい、克服していく力です。こんなふうに書くと、それはものすごい大きなストレスや困難に対してかと思うかもしれませんが、日々の小さなネガティブにこそ回復力が必要だと思っています。
なぜなら小さいうちにやっつけておけば大きくならないから。では、どうやって回復力を高めるのか? 鍵は論理での問題解決です。
ネガティブな気持ちがどこから来たのか? その原因は自分で解決できることなのか? 自力では無理なのか? 未知のことだから不安になっても心配してもしょうがないことなのか?
まずはそこを論理的に考えていきます。嫌なことを言われて「ひどい!」とネガティブになりそうになったら、「人の意見はコントロールできない」と論理的に考えます。次に「だから気にしても解決できない」「だったら気にするだけ無駄だからやめよう」と論理で問題解決します。
そうやってネガティブな感情とうまく付き合いながら前に進んでいく。試してみてね。

ボーク重子
ライフコーチ。Shigeko Bork BYBS Coaching LLC代表。福島県出身。大学卒業後、外資系企業に勤務。退職後、イギリスの美術系大学院で美術史を学ぶ。結婚後アメリカに渡り、アートギャラリーをオープン。著書に『子育て後に「何もない私」にならない30のルール』(文藝春秋)など。
(朝小かぞくの新聞2025年6月20日号)