算数

解法のパターンを練習で身につける

夏の間に苦手な単元を克服しよう――。こういわれることがよくありますが、私はとらわれすぎてはいけないと考えています。なぜなら算数に苦手意識がある受験生は多くの場合、不得意な単元がいくつもあり、人によってはハードルの高い課題になりかねないからです。

夏は「全単元の総復習」を一番の目標にかかげてください。苦手対策に特化した勉強よりも、すべての基礎を見直して土台をかためることの方が、底上げに効果的です。塾の夏期講習でも総復習をするので、計画を立てやすいのではないでしょうか。

自分でテキストを用意して総復習に取り組む場合は、大きなくくりで単元がまとめられているものを選びましょう。細かい項目にわかれているテキストでは問題演習の量が多すぎて、夏休みのうちに1冊を終えられないかもしれないからです。すべての単元の見直しをめざすには、こうした視点での準備も必要になります。

もう一つ、夏にチャレンジしてほしい学習があります。問題演習を重ねながら「解き方のパターン」を身につけることです。線分図や面積図、てんびん図など、解く過程で用いることによって、考え方が整理できる手法がいろいろありますね。「この種類の問題には、この解き方で」といったパターンを意識しながら問題練習に取り組んでみましょう。

使いこなすことができるようになれば、得点力の向上に役立ちます。

イラスト・若泉祥子

■坂口忠洋先生(麻布個人指導会

(朝日小学生新聞2025年6月27日付)