2023年9月、車いすテニスの仲間といっしょに、国枝さん(左から2人目)に会った久冨さん(左はし) 家族提供

国枝慎吾さんの本で内閣総理大臣賞

朝小読者 久冨奏太郎さん(5年)

夏休みの宿題に「読書感想文」が出る人もいるでしょう。元車いすテニス選手、国枝慎吾さんの活躍や悩みなどをえがいた本を選び、2024年夏の全国コンクールで内閣総理大臣賞にかがやいた朝小読者がいます。久冨奏太郎さん(千葉県流山市立長崎小5年)です。読書や受賞をきっかけに、周りの人の力になろうと動き始めています。(編集委員・清田哲)

「自画自賛で、何でもできて、ずるい」…最初は苦手だった

「オレは最強だ!」と国枝さんのサインが書かれた本は、久冨さんの宝物です=7月6日、千葉県流山市

 「ぼくは最初、国枝選手が苦手でした。理由は、どの試合でも勝ち続け機械みたいですごすぎるし、国枝選手がいつも言う、『オレは最強だ!』という言葉が自画自賛に聞こえるし、何でもできて、ずるいと思ったからです。」

ドキッとするような文章で感想文は始まります。久冨さんが読んだのは『国枝慎吾 マイ・ワースト・ゲーム 一度きりの人生を輝かせるヒント』です。

国枝さんはパラリンピックに5大会連続で出て、金メダルを四つとり、世界ランキング1位のまま引退しました。「車いすテニス界のレジェンド」として知られます。

久冨さんも車いすで生活しています。幼いころから体を動かすのが好きで、小学1年生のとき、車いすテニスを始めました。

ある日、レッスンが終わった後に、国枝さんと会う機会がありました。テニスの仲間は「大ファンです」と国枝さんに近寄っていきましたが、久冨さんは遠くから見守っていました。「同じ車いす同士だけど、ちがいすぎて比べられたくないな」と思ったからです。

でも、テニスを続けるうち少しずつ国枝さんのプレーにあこがれるようになります。

久冨奏太郎さんの受賞作「誤解していた『オレは最強だ!』の意味」は、青少年読書感想文全国コンクールの公式サイトから読めます。
https://www.dokusyokansoubun.jp/text70rd/styu.html (外部サイト)

この命で世の中の役に立ちたい

車いすテニスのラケットを手に「国枝さんのようにぼくも苦しいとき、がんばれるようになりたい」と話す久冨さん=7月6日、千葉県流山市

2024年の夏、久冨奏太郎さんは、お母さんの友紀さんから国枝慎吾さんの本をすすめられ、読み始めました。

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