
国内で初めて
広島市安佐動物公園で飼育されているマルミミゾウのめす「メイ」が8月5日、1頭の赤ちゃんを産みました。マルミミゾウは世界的に数が減っていて、絶滅が心配されている種です。出産は国内では初めて。母親になったメイと赤ちゃんはどちらも元気だといいます。(浴野朝香)

絶滅が心配される種/飼育員たちが繁殖に力
安佐動物公園によると、メイは26歳。人間でいうと30代です。赤ちゃんのお父さんは同じく安佐動物公園にいる「ダイ」。こちらも26歳とみられます。赤ちゃんが生まれるまで、国内で飼育されているのはメイとダイの2頭だけでした。絶滅が心配されるマルミミゾウを増やそうと、飼育員たちが繁殖に力を入れてきました。
メイが出産したのは、8月5日午前4時55分ごろです。赤ちゃんの体の高さは約75センチ。8日には性別がおすとわかりました。立って歩き回り、11日にはメイの乳を吸うようすが確認できたといいます。メイは落ち着いているそうです。
メイは2001年5月、西アフリカのブルキナファソから安佐動物公園にやってきました。当時は2歳ぐらいだったとみられています。メイが来た時からずっと世話をしている飼育員の佐々木直行さんは「小さい時から大切に育ててきたメイは娘のような存在です。娘が孫を産んだようで、とてもうれしいです」と話しています。

一歩ずつ手探りの繫殖準備 実る
山口の動物園から「婿入り」

佐々木さんによると、メイは動物公園に来たばかりのころ、アフリカに広く分布するサバンナゾウとみられていました。しかし年月がたっても体が小さかったため、2008年に遺伝子を調べました。その結果、マルミミゾウとわかりました。
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