9月1日は「防災の日」です。1923年9月1日に起きた関東大震災を教訓に、そなえる大切さを伝える目的で制定されました。大地震などの災害は、いつ、どこで起きるかわかりません。ふだんから知識をたくわえておきましょう。(戸井田紗耶香)

あぶない家具を確認
家の中のどこにいても、ゆれを感じたらまず、落ちたりたおれたりしそうな家具やものがないかを確認します。あったら、すぐにはなれましょう。
子ども部屋やリビング、寝室では、つくえの下やふとんにもぐり、体を守ります。トイレやおふろなど、せまい空間にいたら、ドアを開けましょう。閉じこめられてしまうおそれがあるからです。床に落ちたものや割れたガラスなどが散らばっていることがあるので、移動するときはけがをしないよう、スリッパやくつをはきます。
30センチの津波でも…
ゆれがおさまっても注意したいのが津波です。地震で海底のプレートが動くと、海底の上にある海面も上下するので、津波が起きます。地震の規模を表す「マグニチュード」が大きいほど、津波も大きくなります。
7月30日にロシアのカムチャツカ半島近くで起きた地震では、日本にも津波警報が出ました。地震が起きたのは日本時間で午前8時25分ごろ。午後1時52分に1メートル40センチの津波を岩手県久慈市で、30センチの津波を神奈川県横浜市で観測しました。
30センチが危険なの?と思うかもしれません。東北大学災害科学国際研究所で津波を研究するサッパシー・アナワットさんは「津波はパワーがちがう」と話します。
海水浴などで見るふつうの波は、数秒で寄せては返す、という動きをくり返します。一方、津波は寄せた波がすぐには引きません。数十分はとどまり、すさまじいパワーで一気にものを押し流します。「約30センチの津波でも、大人が立っていられないほどです。住まいが海から遠くても、旅行中に津波にあう可能性も。いざという場面で命を守れるように、津波のこわさを知っておいてください」

(朝日小学生新聞2025年9月1日付)