
Q. 宿題が終わりません。
A. 一年を通していただくこの質問、さらに切実になるのが6年生の秋です。 常日頃から「宿題に優先順位をつけましょう」というお話をしていますが、「そうは言っても、やはり宿題は全てやらないとダメなのでは」「塾の先生が全てやれと言う」というものから、「どの程度間引けば良いのかわからない」まで、いただく反応もさまざまです。
でも、時間は有限で、無理なものは無理。それを親子で視覚化しましょう。 まず、1週間のスケジュールを全て書き出し、家で宿題に取り掛かれる時間を洗い出します。
- 月曜は塾がないから4時間できる
- 火曜は塾だから、塾に行く前30分と夜1時間しか無理……というように
そして、全ての宿題にかかる時間を洗い出します。
【平常授業】国語2時間/算数4時間/理科3時間/社会2時間
【特訓授業】国語2時間/算数3時間/理科1時間/社会1時間
【毎日のルーティン(計算・漢字・理科知識)】まとめて45分……など
その上で、宿題の総時間と、家で取りかかれる時間を見比べてみましょう。 収まりますか? 収まらないですよね(笑い)。
「こりゃ宿題回らないわ」と改めて感じ入られる方が多いと思います。
これらを客観的に把握した上で、次にすべきは
- 優先順位をつける
→ 塾の先生に聞きましょう - 一つの宿題にかける時間の上限を決める
→「平常授業は大事だから、宿題は全部やらないとダメ」ということもあります。とはいえ、1週間で11時間もかけられないならば、 国語2時間/算数4時間/理科3時間/社会2時間
↓
国語1.5時間/算数2時間/理科1.5時間/社会1時間
のように変更します。4時間かかっていた算数を2時間で終わらせるためには“1問あたり5分考えてわからなければ飛ばす”とルールを決めましょう。 宿題をする時に常にタイマーや時計で時間を意識することによって、時間感覚が身に付き、模試や過去問の時間の使い方の強い味方にもなります。
子どもは、未消化の宿題が増えてくると「宿題を終わらせよう」という意識やモチベーションが低下し、ダラダラループに入ってきます。この状況は、上記の方法で改善できます。
ぜひ、親子でやってみてくださいね。
安浪京子(やすなみ・きょうこ)
中学受験算数専門プロ家庭教師「(株)アートオブエデュケーション」代表。オンラインサイト『中学受験カフェ』https://juken-chugaku.com/ 主宰。受験算数の指導および中学受験メンタルサポートに力を入れ、毎年多数の合格者を出している。中学受験に関する講演やセミナーを多数開催。著書に『きょうこ先生のはじめまして受験算数』シリーズ、『中学受験 6年生の親がすべきこと』、『きょうこ先生監修 中学受験合格手帳2022』(いずれも朝日学生新聞社)。『【決定版】中学受験をするきみへ 勉強とメンタルの悩みを解決!』(大和書房)など。
(2021年9月22日配信メールマガジン)