歴史作家の河合敦さんが、昔の日本の様子をわかりやすく教えてくれるよ。今回は古代の日本が舞台。邪馬台国の世界をのぞいてみよう。

※答えは、この記事の最後に
なぞの女王、卑弥呼
倭(日本)では戦乱が続いていたので、王たちが相談して女性を王位につけると、争いはぴたりとやみました。その女王が卑弥呼です。年をとって、独身で、まじないを使って人々を治めました。
卑弥呼は、さくで厳重に囲まれた城のようなところに住んでいて、兵士が武器を持って周囲を守っていました。女性を千人もそばに置いていましたが、卑弥呼の部屋に食事を運んだり、その言葉を伝えたりする男性はひとりだけでした。このように、卑弥呼の生活にはわからない部分がたくさんあります。
朝小プラスまなび
239年、卑弥呼は魏(中国)に使いを送ります。邪馬台国のライバルである狗奴国に対抗するため、大国である魏の力を利用しようと考えたのです。
魏の皇帝は、銅鏡100枚をプレゼントしました。当時としては貴重な宝物。皇帝は「どれだけ私がお前のことを大切に思っているかを国中の人々に教えてやれ」と付け加えました。卑弥呼は、目的を達成できたのです。
卑弥呼が亡くなったあと、男の王に変わりましたが、すぐにまた争いが始まります。そこで壱与という女性を王にすると、また平和になったそうです。壱与はまだ13歳でした。みなさんとそんなに変わらない年ですね。
邪馬台国の場所も、治めていた卑弥呼も、多くのなぞに包まれているのですね。
クイズの答え 近畿、九州
かわい・あつし
歴史作家。都立中高一貫校や私立中高の教諭を経て、多摩大学客員教授。多くの日本の歴史の本を書くかたわら、テレビ出演や講演活動もおこなう。
(朝日小学生新聞2014年4月10日付)

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