「古墳」を見たことがあるかな。家の近くにあるよ、という人もいるかもしれないね。古墳は昔の大きなお墓だよ。

※答えは、この記事の最後に
日本で一番大きな古墳を知っていますか。
それは大阪府堺市の大山(大仙、仁徳陵)古墳です。長さ486メートル、面積約46万平方メートルで墓としては世界最大、東京ドームおよそ10個分にあたります。
大山古墳は仁徳天皇の墓とされていますが、本当かどうかあやしいのです。天皇の墓とされる多くの古墳は、幕末から明治時代にかけて学者が調査して結論づけたもので、それを宮内庁が認定しています。だから間違いがある可能性もあるようです。再調査すればよいと思うかもしれませんが、発掘は許されていない上に、立ち入りも制限されています。そこで最近の教科書では「大山(仁徳陵)古墳」のように古墳の所在地名をおもに記すようになりました。
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そうしたなかで近年、大きな発見がありました。継体天皇(6世紀前半の天皇)の本当の墓と思われるものが発掘されたのです。現在、継体天皇の墓には太田茶臼山古墳(大阪府茨木市)が指定されていますが、この古墳は継体天皇が亡くなるより前につくられたため、正しくないことがわかっていました。
太田茶臼山古墳の近くに今城塚という古墳があり、発掘したら天皇の古墳にふさわしい、すばらしいはにわが多く出てきました。時代も継体天皇の亡くなった時期と重なり、こちらが本当の墓らしいとわかったのです。
クイズの答え ア:奈良県、イ:埼玉県、ウ:大阪府
かわい・あつし
歴史作家。都立中高一貫校や私立中高の教諭を経て、多摩大学客員教授。多くの日本の歴史の本を書くかたわら、テレビ出演や講演活動もおこなう。
(朝日小学生新聞2014年4月24日付)

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