
このコラムは、子どもの「自己肯定感」を育てたいと思っているご家庭へお届けします。
「自分は愛されている」安心感をパワーに
これまで「自信のつけ方」をお読みくださってありがとうございました。いよいよ最終回です。子どもへのメッセージとワークだけでなく、親のあなたへメッセージもお届けしました。親がことばかけや関わり方を意識して変えることで、子どもが変わってくるからです。
子育てしているときは、やらなければならないことが山ほどあり、時間に追われています。限られている時間の中で予定を進めようとすると、どうしても親が指示しなければならない場面がでてきます。また、子どものことをよくしようと、親心から「もっと~しなさい」と注意をしたくなることでしょう。でも、「あれをしなさい」「これをしなさい」とコントロールする会話を毎日くり返すうちに、自己肯定感は下がっていきます。指示語を言わないと決めて、ことばかけや行動を工夫してくださいね。
自己肯定感の根っこには、「自分は十分愛されている」という安心感が必要です。笑顔で子どもに話しかけたり、いっしょにおもしろいテレビや動画をみたり、外で遊んだり。こういった「体験」をすることがいいのです。
その中でも「ただ、そこにいるだけでOK!」「生まれてきてくれてありがとう」「キミはキミでいいんだよ」子どもの存在そのものを肯定することが、一番子どもの心に届きます。元気で学校に行き、家に帰ってきていっしょにご飯を食べ、笑ったり泣いたりできること、ただそこにいてくれることが一番ありがたいのではないでしょうか。
思春期になり、ことばをかわすことが少なくなったとしても、親から受けた愛情を子どもは覚えているもの。小さいころに培われた信頼関係は変わらないのです。一時的に問題が起こっても、子どもはちゃんと成長していくものです。親から愛されていることが根底の部分でわかっていれば、大人になってからも心が安定して、困難があっても、乗り越えて前に進むことができます。
家が子どもの安全基地であること。どうぞ子どもが居やすいような場所を提供してあげてくださいね。そのためには、あなたも「自分は自分でOK!」と自分を認めてあげましょうね。
応援しています。ファイト~♪
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キミはキミでいていいんだよ
キミは、まわりの人が自分よりすばらしく思えて、「自分なんてダメ」と自信がなくなるときがあるかもしれない。だれかと比べるのはみんなあることだけど、それで自分に自信がなくなってしまうのはもったいないよ。キミにはほかの人がもっていない、いいところがある。もっと自分のことを好きになろうよ。「自分は自分でOK!」って言ってみようよ。
もしも自分のポンコツっぷりに落ちこんだら(そんなときもある!)これまでやってきた「小さなできた!を見つける」「プラスのことばを言ってみる」「短所を長所に変換する」など11のワークをもう一度やってみてほしい。キミが自信をとりもどすヒントになるんじゃないかな。
キミという人間は、世界中にたった一人しかいない。だれかになろうとしなくていい。いいところはもちろんだけど、ダメなところだってキミの魅力。キミはそのままですばらしい。
クヨクヨすることだってあるさ。まちがえちゃってもいい。失敗したって、立ち直ればいい。
キミはキミでいいんだよ。

ワークシートはこちらからダウンロードできます→https://p.potaufeu.asahi.com/asagaku/pdf/lesson/worksheet12.pdf
高取しづか
ことばキャンプ主宰。アメリカで生活した折、日本と欧米のコミュニケーションスキルの差に危機感を覚え、研究活動を行う。帰国後NPO法人JAMネットワークを結成。「ことば力」と自己肯定感を育てることばキャンプを推進し、全国で1万人以上に講演・研修活動を行う。著書多数。
高取しづかのブログ https://ameblo.jp/t-shizuka
ことばキャンプ http://kotobacamp.com/

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