
打っても投げてもすごい大谷翔平選手(29歳)ですが、走る姿に野球選手としての本質を見いだした人がいました。プロ野球時代の恩師、栗山英樹さん(62歳)です。大谷選手のプレーには、最後まであきらめない、そして野球を楽しむ姿があらわれています。
大谷翔平物語~打つ、投げる、楽しむ~(3)
プロ野球時代
大谷選手の前例なき挑戦は、2013年シーズンからプロ野球の北海道日本ハムファイターズでスタートしました。誰もが想像できなかった投手と打者の「二刀流」として歩み始めたころの思いを、大谷選手はこうふり返ったことがあります。
「他人とちがうことをやったときに、どういう結果になるのか。そんな自分自身に対する興味が、あの当時は大きかった。どうなるのかという不安よりも、興味のほうが勝っていたと思います」
入団当時、「二刀流」に対してうたがいの目があったのは事実です。
「投手と打者のどちらか一方に専念したほうがいい」
「結果的に、どちらの才能も失ってしまう可能性がある」
それでも、周囲の雑音を気にすることなく、大谷選手は前だけを見つめて挑み続けました。
「自分の気持ちがブレることはなかったですね。たとえ両方をやることが失敗だったとしても、自分にプラスになると思っていました。もしもこの先、投手と打者の二つをやりたいと思う子が出てきたときに、僕の挑戦が一つのモデルになって、(二刀流をめざす人たちも)たとえ失敗したとしても、それを成功につなげてくれればいいという思いもありました」
日本プロ野球での5年間、その挑戦を見守り続けたのが当時の日本ハム監督で、3月に行われたワールド・ベースボール・クラシックの監督も務めた栗山英樹さんでした。大谷選手の「二刀流」について、栗山さんはこんな話をしてくれたことがあります。

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