やなせたかしのメルヘン絵本 復刻版（上）「虹の足」
アンパンマンの生みの親で、まんが家・絵本作家のやなせたかしさんは、2013年に亡くなるまで、朝小で連載を持っていました。全146回の中から2回、復刻版をお届けします。
絵と文 やなせ たかし
サルのモンタンは、野原で遊んでいるうちに、みんなとはぐれてしまいました。
雨がふってきたので、大きなユリの木の下で雨やどり。
雨が上がると、びっくりするほど大きな虹ができました。
虹のはしっこは、目の前にある丘の草むらにつきささっています。
「あそこへ行ってみよう。虹のはしっこを見に行こう」
モンタンはユリの木の下からとび出して、とぶように走りました。
でも、モンタンが近づくと、いつのまにか、虹はもっと遠いところへはなれています。
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