一富士二鷹三なすび

初夢に見ると縁起がよいとされている三つを並べた言葉です。富士は「高大(高く大きい)」、鷹は「つかみとる」、なすび(ナス)は「物事をなす(やりとげる)」という意味と願いがこめられているそうです。

※初夢を見る日は諸説ありますが、一般的には元日(1月1日)の夜から2日にかけて見る夢といわれています

七福神・宝船

七福神は幸運をまねくとされる7人の神さまです。新年の夜に、宝物を積んだ宝船に七福神が乗り、初めから読んでも、後ろから読んでも同じ音になる「回文」が書かれた絵を枕の下において寝ると、よいことがあるといわれます。なんと、室町時代には始まっていた風習です。

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朝小プラスまなび

鶴と亀

鶴はその美しい姿から神秘的な鳥とされ、亀と共に長寿の象徴とされてきました。亀は中国で仙人が住む山の使いとされ、めでたい長寿の動物として尊ばれてきました。

タンチョウヅルの頭が赤い部分は皮膚が出ているところで、のんびりしているときは赤色がうすくなります。

藻が甲羅に生えた亀は、まるで「みの(昔の雨具)」を着ているように見えるので、みのがめといいます。自然界の淡水にすむイシガメやクサガメなどにたまにみのがめが見つかります。

松竹梅

冬の寒さにたえて緑を保つ松と竹、寒さの中で花を咲かせる梅。この三つは古くからめでたいものとして、絵の題材やお祝いのかざりに使われてきました。お正月の生け花にも好んで使われます。「松竹梅」というセットで呼ばれる言葉もあります。

縁起熊手

年の暮れに近い11月、東京都台東区の鷲神社の酉の市などで熊手が販売されます。熊手はほうきの一種です。ほうきの面の中央におかめの面、鶴亀や松竹梅などのめでたいもののシンボルの模型をたくさんつけて、商売繁盛を願ったかざりものです。

初日の出

地平線や水平線から太陽が現れる瞬間を「日の出」といいます。除夜の鐘を聞いてから初詣に行き、そこで初日の出を拝むこともあります。新年の日の出と共に年神さまが現れると考えられるようになり、初日の出を尊ぶようになったようです。

(朝日小学生新聞2014年12月30日付、2022年12月31日付を再構成しました)