経済を守るため制限されていた時代があったんだよ

日本の経済を守るため、海外旅行が制限されていた時代があったことを知っていますか? 日本からの海外旅行が自由化されて今年で60年です。「今は大きな転換点」と話す専門家に、その歴史を聞きました。(正木皓二郎)

自由研究・探究学習のヒント

キーワード #海外旅行 #円高円安 #新型コロナ

・日本からの海外旅行客が一番多かったのは何年?

・円高や円安は、海外旅行にどのように影響するのかな

・海外から日本に来る旅行者はどれくらいいるか調べてみよう。どこから来る人が多いかな?

自由化された後、飛行機に向かう海外旅行者=1964年4月、東京・羽田空港 Ⓒ朝日新聞社

日本からの海外旅行が自由になったのは1964年4月です(❶)。45年に第2次世界大戦が終わった後、日本は食料やせんい製品など、あらゆる物を輸入にたよっていました。貿易にはアメリカ(米国)ドルなど海外のお金が欠かせません。海外のお金を国内にとっておくため、出国は政府や会社の仕事、留学などの場合に限られていました。

自由に行けるようにしたのは日本の経済がだんだんと成長したからです。渡航は年に1度、お金の持ち出しは1人500ドルまでという一時的なルールのもと、旅行が認められました。

経済成長が進んで身近に

しかし、すぐに旅行する人が増えたわけではありません。旅行の歴史にくわしいJTB総合研究所の黒須宏志さんは「当時の旅行代金は平均的な収入より高く、旅行できるのは生活に余裕のある一部の人だけでした」と話します。米国・ハワイへのツアーが企画されたほか、ヨーロッパ旅行も人気だったそうです。

経済成長がさらに進むと、海外旅行が身近になっていきます。大きなきっかけとして黒須さんがあげるのが85年の「プラザ合意」(❷)です(下のメモを見てね)。ドルに対して円の価値が高まる「円高」になり、海外旅行がしやすくなりました。

「円安」「円高」 子どもに聞かれてちゃんと説明できる?

朝小プラスまなび

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