「夏休みの宿題に読書感想文があるけど苦手……」という人もいるかもしれません。取り組み方について、東京・筑波大学附属小学校の白坂洋一先生に聞きました。(編集委員・沢辺雅俊)
「読みたい!」と思う本を選ぶのが一番
①本をどう選ぶ?
「宿題で出たから」「コンクールに出すから」書く人も多いでしょう。課題図書のリストが示されていれば、そこから選んでいきます。
課題図書の指定がない場合は、自分で「読みたい!」と思える本を選ぶのが一番です。私は、読書感想文を書く主な目的は、「本を読むことで、自分自身を見つめること」だと考えています。このとき、興味があるジャンルの本なら、自分に引き寄せて読んでいけます。
物語はたしかに感想文を書きやすいですが、1・2年生なら絵本でもいいし、5・6年生なら科学読み物やノンフィクション、伝記もいい。ただし図鑑は不向きです。
図書館や書店に、おうちの人と行くのもおすすめです。いろいろ手に取ってみましょう。最終的にどの本にするかを決めるのは自分です。自分自身で選ぶからこそ意欲も高まり、「選んだきっかけ」を書くことができます。
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心に残った所や疑問にふせんをつける
②どう読む?
まずは素直に読んでみましょう。そして2回目は、ふせんを使うといいですね。基本は2回読むことです。
ふせんは2色を用意。「心に残った場面や会話」にたとえば黄色、「疑問や不思議に思ったところ」には赤のふせんを貼っていきます。枚数を気にせず、どんどん貼っていきましょう。
ふだんから本を何冊も読んでいる子におすすめなのが「読書ノート」です。ノートに、本の名前、読み終わった日付、感想を一言記していくだけです。書きためれば、ここから感想文に使う本を選ぶこともできますし、感想文の中で、似たテーマの他の本と比べた内容をもりこむこともできます。
③どう書く?
いきなり提出用の原稿用紙に書くのは、やめましょう。まず構成を考えます。
基本的な組み立ては、あらすじなど本の紹介を書く「はじめ」、心に残ったことを長めに書く「中」、自分の考えをまとめる「終わり」の三つです。さらに細かく学年別のおすすめの組み立てを紹介しますね=イラストを見てね。
このとき役立つのが、ふせんです。何枚も貼ったふせんから選んでいきます。
学年別の組み立てを参考にすれば、書きやすいはず。でも「なかなか書けない……」という人には、次の二つがとくにおすすめです。
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