
今回はハロウィンに親子で楽しめる旧作映画として、ストップモーションアニメの傑作『コララインとボタンの魔女』をご紹介します。一部の動画配信サービスでも配信中ですので自宅でも視聴できます。今回は筆者の娘(10歳)と本作を鑑賞してみました。
『コララインとボタンの魔女』はニール・ゲイマンによる同名の児童文学小説を原作とした映画作品で、日本では2010年に公開されました。人形や物体を1コマずつ動かして撮影するストップモーションアニメ(コマ撮りアニメ)の技法を使って制作された本作は、その美しい映像世界が映画ファンの間で大きな話題となりました。監督は『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』のヘンリー・セリックで、彼の独特な感性が本作にも存分に発揮されています。
コララインは好奇心旺盛な女の子。古いアパートに家族で引っ越してきましたが、園芸雑誌の編集をしている両親は仕事が忙しくてなかなか彼女にかまってくれません。家の中で一人遊ぶコララインは封印された小さな扉を発見します。扉の向こうにはおいしいご馳走や愉快なサーカスが次々と現れる不思議な世界が広がっていて、コララインの両親や近所の人々は彼女に優しく接してくれるのですが、彼らの目にはなぜかボタンが縫い付けられていて…というお話です。

美しさの中に恐ろしさが垣間見える独特の世界観が必見です。実際に人形やセットを動かしながら撮影することによりキャラクターや背景に不思議な存在感があります。観ながら、子供の頃に「こんな親がいたらいいな。こんな世界があったらいいのに。」と夢想していたことを思い出しました。ネズミや近所のおばさま(衣装が大胆!)によるダンスシーンが迫力もあり特に印象的です。

親目線で見ると、仕事に忙しく子供に構えない両親の描写は少々気まずい気持ちにもなりました。パパがコララインに暇つぶしのために家中のドアと窓を数えなさいというシーンは、自分も似たようなことを言ったことあるなと反省…。ただ、扉の向こうの異世界が楽しさだけでなく恐ろしさもあるという面も描くことで、一見つまらなく感じる現実も実は愛や美しさにあふれているというメッセージを込めているのかなと感じました。

今回は10歳の娘(小学5年生)と一緒に本作を鑑賞したので、彼女の感想もご紹介します。
〇本作は面白かった?
怖かったけど面白かった。今夜の夢に出てきそう!(※実際には出てこなかったそうです)
マンゴーミルクジュースを飲むときに出てくるあの機械(シャンデリア風のドリンクバーのようなもの)がほしい!子どもたちの目を探すシーンで本物の目が出てきたらどうしようと心配だったけど、スーパーボールみたいな目で安心した。
〇同世代のお友達におススメできる?
小学校5年生以上だったら普通に見られると思う。
それより小さい子の場合はホラーが好きな子であれば楽しめるはず。
〇おススメポイントは?
ネコの声(劇団ひとりさん)がイケオジなところ!
ワンちゃんに天使の服を着せていたところ。
〇コララインのように強くなれそう?
無理!(笑)
普段は少しでも怖いシーンがあると嫌がる彼女ですが、独特の世界観が新鮮だったのかいつになく真剣に画面にくぎ付けになっていました。
ハロウィンに合わせて、ぜひ親子でお楽しみください!
【作品情報】
『コララインとボタンの魔女』 U-NEXTなど一部動画配信サービスにて配信中
監督:ヘンリー・セリック
キャスト:ダコタ・ファニング、テリー・ハッチャー、キース・デビッド、ジョン・ホッジマン
日本版吹替:榮倉奈々、劇団ひとり、戸田恵子、山路和弘
紹介者 キムソニ
シネマサンシャイン 番組編成担当
https://www.cinemasunshine.co.jp/

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