保護者の代わりに放課後の児童を預かる「学童保育」は、少子化の一方、共働き家庭やひとり親世帯の増加で需要が高まっています。中でも、今注目を浴びているのは株式会社などが運営する「民間学童」です。習い事や学習指導のサービスを受けられるところが多く、公設学童よりも民間学童を選択する保護者も多いと聞きます。


 今日は首都圏を中心に展開する民間学童「えすこーと」代表の真崎今日子さんに、創設の思いや、学童の魅力を伺いました。

「えすこーと」で好きなことを見つけてほしい

「えすこーと」を創設したきっかけを教えてください。

私は塾講師をしながら2人の息子を育てたのですが、ほかのお子さんたちの教育をしながら、自分の子どもをおざなりにしているような罪悪感があって「仕事より自分の子どもを優先させるべきでは」と思い悩んでいた時期がありました。母の協力もあり、学校から帰宅した子どもの面倒をみてもらっていたので、塾講師の仕事を続けることが出来たのですが、世の中には、同じ悩みを抱えている保護者の方も多くいると思い、共働き世帯が安心して子どもを預けられる場をつくろうと考えました。

「えすこーと」を設立する上で大切にしていた理念はありますか。

私は、子育ての最終目標は、子どもが将来、どんな場面でも幸せに生きていく力をつけることだと思っています。そのためには、ある程度、経済的にも精神的にも自立していく必要があります。ただ、自立するための力は多種多様でいいと考えています。それぞれが好きなこと、得意なことを見つけ、それを伸ばして社会貢献してほしいと願っています。

そのために小学校のうちにやっておきたいのは、様々な体験を通し、好きなこと・興味のあることを一つでも多く見つけておくことと、将来のベースになる力をつけておくことです。そうすれば後々「これもできる、あれもできる」と自信をもって、多くの選択肢の中から進む道を決めることができますよね。

以前、私自身がアメリカに住んでいたとき、夏休み期間中、理科や音楽、乗馬、サッカーなどといったさまざまな体験ができる子ども向けデイキャンプが盛んな様子を目の当たりにしました。日本に帰国した後、小学校低学年の時間のあるうちに、子どもが好きなことや得意なことを見つけるきっかけ作りをしてあげたいと思いました。

5人の子どもに1人のチューター 一人ひとりの達成を見届ける

共働き世帯の増加に伴い、民間学童も増えていますが、「えすこーと」の特長は何でしょうか。

子ども5人につき1人のチューターがついて、丁寧に勉強をサポートする点ですね。保護者様としては、お子さんの学力については気になるけど、勉強を見てあげる暇はなかなかありません。忙しく仕事をして家に帰った後、子どもがテストで悪い点をとったと知り、カーッとなってしまったという話をよく聞きます。

保護者様としては「自分は子どものころ、もっと良い点をとっていたのに、なんでこの子は、、」と感じて怒ってしまうのですが、一緒に勉強を見てあげる時間がなく、お子さんがどこでわからなくなっているかなどの把握ができないので、無理もありません。自分が子どものころは、専業主婦の母親に勉強を見てもらっていたけれど、親になった今、自分は仕事で忙しくて子どもの勉強を見てあげられず、ジレンマや罪悪感を抱えている方が多いのです。それで、保護者様もお子さんもストレスがたまって喧嘩をしてしまう、という悪循環に陥ってしまいがちです。

でも、保護者様が仕事をしている時間に宿題を終えて、しかもチューターに内容確認までしっかりしてもらえていたら、テストの成績も自然によくなりますよね。「えすこーと」では定期的に、漢字テストや算数の復習テストなどもするので、学校の学期末のテスト対策もできます。子どもも自信を持って学習に取り組み、親子関係も良くなります。

高学年になると、塾の宿題にたくさん取り組まなければいけない子も増えますが、塾の宿題も本当に難しいですよね。「えすこーと」で塾の宿題に取り組めば、分からないところもすぐにチューターに聞けるので、嫌にならずに勉強を続けられます。

スタッフにはどんな方々がいますか。

保育士や幼稚園教諭の資格をもつスタッフ、幼児教室・塾講師出身のスタッフ、各教科に強化したスタッフなど多数在籍していますので、年少~小学6年生まで、どんな年齢のお子さんも安心して通って頂けます。受験対策もできます。

「子ども5人にチューター1人」という体制のため、ただ勉強をさせるだけではなく、一人ひとりがそれぞれの課題を達成することを見届けています。お子さんの到達度合いに応じて、教材の難易度も変えています。日ごとにそれぞれの子が何に取り組んだかを記録し、親御さんにフィードバックもしています。

大人に勉強を丁寧に見てもらえるから成績も上がり、勉強が楽しくなってさらに勉強する、という好循環が生まれそうですね。

勉強に関しては、宿題やドリルに取り組むと、その量に応じてチケットがもらえ、それを貯めることで文房具や昔のお金、化石、宝石などの景品と交換できるというお楽しみも用意しています。ちょっとしたきっかけで、「えすこーと」に来るのが楽しい、と思ってもらえるのがうれしいです。それに、最初は景品がきっかけであっても、「えすこーと」に来たらすぐに宿題をする、という学習習慣ができるので、先生から言われなくても自然と勉強し始めるようになります。校舎には塾用教材も多数用意していますので、どんどん勉強を深めていくこともできます。

充実の習い事で、「えすこーと」に通うことが楽しみに

コアタイムで勉強をした後は、習い事をして過ごすこともできるんですね。

中学受験をする子もいますが、その子たちは、小学校高学年になると受験のための勉強時間が増えます。ですので、低学年のうちの自由な時間を使って、いろんな体験をしてほしいと思っています。

英語、算数パズル、理科実験、作文ディベート、レゴプログラミングといった学習系のほか、書道、絵画造形、ダンス、ミュージカル、ピアノなど幅広い習い事を用意しています。

プログラミングやディベートといった、今の時代ならではの習い事も豊富ですね。

塾でも学校でもないからこそ、先を見据えた習い事を積極的に取り入れています。「えすこーと」の中に習い事用の部屋がありますので、他の場所に通わなくても、一箇所でさまざまなジャンルの習い事ができます。講師はそれぞれプロの方をお呼びしています。

「えすこーと」では、学習時間が終わったら、子どもたちはどのように過ごしていますか?

お勉強や習い事が終わったら、アイロンビーズや世界のボードゲームなど、教室にあるおもちゃで楽しく遊んでいます。たくさんの知的なおもちゃや季節のイベントを用意しているので、子どもたちはワクワクしながら時間を過ごせますよ。もちろん、勉強もしっかり取り組んでもらいますが、多すぎず,少なすぎず、適正な量を終わらせたあとは、思いっきり遊んでリフレッシュできる環境を大切にしています。楽しく「えすこーと」に来てもらえるよう、常に工夫を凝らしているので、子どもたちは『えすこーと大好き』といってくれます。

共働きの保護者の方々も、安心してお子さんを預けられそうですね。

保護者様も、困った時には、電話またはメール1本で預けられるところがあると、とても安心できるのではないでしょうか。「普段は月水金だけ利用しているけれど、今週は木曜日もお願いしたい」といった要望にも柔軟に対応しています。親御さんも自分で輝きながら社会貢献をして、その子どもも自立して社会貢献ができる人に育てる、ということを両方かなえられたらいいですよね。

保護者の方やお子さんからは、どんな感想をもらいますか。

中には幼稚園から中学卒業まで、11年間通っていたお子さんもいました(習い事のみ中学まで受講可能)。多くの時間を一緒に過ごしてきましたから、その子の個性や性格もよくわかっています。

長く通ってくれるお子さんが多く、卒業のときには「充実した時間を過ごせました」と挨拶に来てくれたり、メールをくださったりする方も多く、うれしいですね。卒業した後も、遊びにきてくれる子も沢山います。

それだけ長く通ってくれるというのは、親御さんが仕事をしているという事情があるからというだけでなく、お子さん本人も「えすこーと」を楽しんでいるからなのでしょうね。

ある日、学校にお子さんたちを迎えに行くと、その子たちが周りの子から「今日えすこーとするの?」とか「僕もえすこーとしたい」と言われていました。「『えすこーと』に行く」ことが「えすこーとする」という動詞になって、楽しいニュアンスが込められているんですよね(笑)。子どもたちにとっても、「えすこーと」に通うことがちょっと誇らしいことになっているみたいです。そんな風に子どもたちが楽しんでくれているから、保護者様も安心して預けてくださっています。

これからも、10年間子どもたちを見続けてきたからこそ蓄積されたノウハウや考え方を大事にしながら、時代に合わせてアップデートを続けていく民間学童でありたいですね。

いかがでしたでしょうか。次回は引き続き真崎さんに、「えすこーと」の長期休み中の活動や合宿について伺います。

▼民間学童保育えすこーとの公式HPはこちらから
https://e-s-court.com/