「道遊の割戸」。山頂部の割れ目は幅30メートル、深さ74メートルにおよびます=7月、新潟県佐渡市 ©朝日新聞社

世界遺産や新紙幣に近代日本を見る

新潟・佐渡島の金山 世界文化遺産に登録

新潟県佐渡市にある「佐渡島の金山」が7月27日、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の世界文化遺産に登録されることが決まりました。

佐渡島の金山は「西三川砂金山」と、相川金銀山と鶴子銀山からなる「相川鶴子金銀山」で構成。世界の鉱山で機械化が進む16~19世紀に、世界有数の質と量の金を手作業(手工業)で生産するシステムをつくったことが評価されました。

文化庁によると、17世紀前半の金の生産量は世界の10%を占めたとされ、最高純度は99.54%だったといいます。産出された金は江戸幕府の財政を支えました。地面に出ている金の鉱脈を手でほって生まれた「道遊の割戸」は、佐渡島の金山のシンボルになっています。

登録をめぐっては、戦争中に朝鮮半島の出身者が働いていて、韓国が「強制労働被害の現場だ」と主張していたことなどから、日本側と韓国側の話し合いが続いていました。ひどい労働環境だったことを示す記録の展示を日本政府が決めたことなどから、登録が決まりました。日本の世界遺産の総数は、文化遺産21件、自然遺産5件の計26件になりました。

9月には、2026年の世界文化遺産登録をめざす国内の候補として奈良県の「飛鳥・藤原の宮都」をすすめることが決まりました。政府は来年1月末までにユネスコに正式な推薦書を出します。

20年ぶりに新デザイン

7月から、20年ぶりにお札(紙幣)のデザインが新しくなりました。

1万円札には経済・産業の発展に力をつくした実業家の渋沢栄一(1840~1931年)がえがかれています。現在の埼玉県深谷市に生まれ、大蔵省(今の財務省)で働きました。役人をやめたあとは、日本初の銀行など約500の会社づくりにたずさわり、教育や社会事業にも取り組みました。

新しいお札の見本。うらには、1万円札は東京駅(丸の内駅舎)、5千円札はフジの花、千円札は葛飾北斎の「冨嶽三十六景(神奈川沖浪裏)」がえがかれています ©朝日新聞社

5千円札は、教育によって女性の地位向上に努めた津田梅子(1864~1929年)です。6歳のとき、日本最初の女子留学生としてアメリカへ渡りました。1900年に「女子英学塾」を創立。現在の津田塾大学です。

千円札の北里柴三郎(1853~1931年)は「日本近代医学の父」と呼ばれる細菌学者です。ドイツに留学中、傷口から菌が入って亡くなることもある病気「破傷風」の治療方法を確立させました。1894年にはペスト菌も発見しました。日本や世界の人々を病気から守りました。

新しいお札は、えがかれている人物が変わっただけではありません。最新の技術を使って、にせ札がつくられるのを防ぎ、障がいがある人などにも使いやすくする「ユニバーサルデザイン」も取り入れられています。

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次の中で、過去に1万円札にえがかれなかった人物はだれかな?

1 聖徳太子  2 福沢諭吉  3 伊藤博文

編集委員OJの中学受験に出るかも!

江戸の三貨制度を支えた鉱山

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