
塾の面談には、保護者のお悩みが集まります。そっと覗いてみてみましょう。今日のご相談は「塾って潰れるの?」です。
「勉強のやり方」を教える塾、プラスティー代表の清水章弘です。最近の教育相談をご紹介します。子どもの力は無限大。ちょっとした「ひと工夫」でお子さんの良さを引き出してあげてください。
受験期に塾が閉鎖…
【相談】
受験期に塾が閉鎖したニュースを耳にしました。塾ってかんたんに閉鎖するのでしょうか。塾の選び方も教えてください。
少子化によって生徒減ですが…
【回答】
不安になりますよね。耳を疑うニュースが飛び込んできましたからね。受験直前に、塾・予備校が閉鎖になるというニュースでした。
塾を経営する私のもとにも、テレビや新聞ラジオなど、様々な番組から取材が入りました。皆さん質問は同じで「塾ってそんなに大変なんですか?」。複雑な気持ちですべての取材に答えました。実際、少子化によって子ども達の数は減っているんですよね。せっかくの機会ですから、塾業界に身を置く者として、塾業界のこと、そして「塾選び」についてしっかりご説明したいと思います。
まず、結論から申しまして、塾が受験期に閉鎖することはほとんどありません。確かに塾の倒産件数は増加傾向にありますが、塾業界の常識から考えると、受験期は避けて閉鎖されます。私を含め、塾業界の人間はみんな子ども達の成長に対して思いを持っています。その思いと倫理観から、受験期の閉鎖は今後もレアケースになると信じています。
話題になっている「年間一括前払い」という制度についてもご説明します。これは大学受験の予備校によくあります。予備校講師は一般的に一年契約なので、前払いをしていただくことで講師の雇用を確保するというのが狙いです。もちろん、生徒を囲い込みたいという狙いがあることも確かです。中学受験や高校受験では、集団授業では半年ごとや学期ごとに前払いする塾が多くあります。この目的も、主に経営の安定化です。このように、本来は前払いをしていただく企業は、安定的であるはずなんですよね。
そもそも、塾にかかる費用は、主に3つです。講師や職員の「人件費」、「地代家賃」、そして「広告宣伝費」です。それ以外はあまりかかりません。机や椅子などの備品は、初期のみです。一般的な起業・開業と比較すると、低コストで始められるのが学習塾です。ただ、クチコミだけで生徒さんが集まらないと、広告宣伝費にお金をかけなければいけず、費用がかさんでいきます。
これを踏まえれば、安心して通い続けられる塾、つまり閉鎖しにくい塾の選び方は、ご理解いただきやすいと思います。ひと言で表現すれば「生徒が集まっている塾」ということになります。ただ、これをどう見分けるかは難しいところです。また、少子化で「5年で子どもの数が2割減る」と言われる塾業界ですから、今後さらに見分け方が大変になります。
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