去年9月から、さかなクンや専門家たちといっしょに、海の探究を進めてきた「さかなクン探究隊」(主催・青い地球を育む会)。東京海洋大学越中島キャンパス(東京都江東区)で2月15日、隊員が最終報告をし、活動をしめくくりました。(大井朝加)

海藻、低利用魚…自由なテーマで
隊員はこれまで、さかなクンといっしょに海岸のごみひろいをしたり、あまり食べられていない低利用魚を調理したりと、海の専門家たちとさまざまな体験をしてきました。このような活動と並行して、隊員はそれぞれ、海や魚に関係した探究に取り組んできました。
髙倉春樹さん(5年)は、神奈川県の江の島周辺の海で海藻が減る磯焼けが起きていることに気がついたそう。魚にとって重要な場所となる海藻を水槽で増やすことに挑戦。条件を変えた三つの水槽で海藻を育てましたが、二つの水槽では、海藻を増やせませんでした。塩分濃度が高くなったことで、海藻の水分が外へにげ、脱水症状が起きてしまったからではないかと考察しました。
地球温暖化などの理由で、私たちが今食べている魚は、将来絶滅してしまうかもしれないという危機感から、低利用魚を探究した大関藍加さん(6年)。鮮魚店や漁港に足を運び、低利用魚を手に入れて調理し、おいしく食べる方法を試しました。低利用魚のイラストや、はく製を見せながら、今はあまり売り物になっていない低利用魚を買うことが漁師の収入の維持にもつながるとうったえました。
これからも探究心を持って
東京海洋大学教授の清水悦郎さんは、「自分で試して、検証するなど、みなさんの行動力が本当にすばらしい。小学生の時から問題意識を持つことが広まっていけば、今できていないことも実現できるのかなと思いました」と隊員の今後の活動に期待を寄せました。
隊長のさかなクンは「わくわくと探究心いっぱいに聞かせていただきました」と幸せな笑顔。
最後に隊員には、さかなクン直筆の修了証書が手わたされたほか、隊員番号と名前が入ったオリジナルTシャツがプレゼントされました。進藤悠杜さん(6年)は、6か月にわたる活動をふり返り「全ての体験が貴重で、人生の中でもなかなかないこと。参加して良かったです」と話しました。「今後も探究活動を続けていきます」と、意欲をのぞかせました。
「楽しく元気に!! これからも探究心いっぱいにレッツ・ギョー!!」

隊員たちの探究テーマ
大西啓翔さん
地球で最初の生命はなぜ海で誕生したのか
進藤悠杜さん
あなたのひとくちが世界を変える
低利用魚を定量ギョ!に、未利用魚を魅了ギョ!にしよう
大崎高太郎さん
魚の体内にプラスチックがあるか?
帶包晃平さん
東久留米から世界を守ろう~人の意識や行動を変える方法~

山田理仁さん
太平洋に浮かぶゴミの島
松尾翠香さん
超絶地球にお優しい!? 生分解性プラスチック

伊藤真里さん
ゴミ拾いでプラスチックごみを減らす! 側溝から、川、海へとのつながりは?
大関藍加さん
低利用魚をもっと知りタイ! 広めタイ!!
水島紗良さん
「海中掃除機」の開発
「環境大使」広報活動
豊田礼一郎さん
魚の旨味について
髙倉春樹さん
江ノ島に海のゆりかごをつくる!
(朝日小学生新聞2025年2月22日付)

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