首都圏屈指の進学校として知られる聖光学院中学・高校(横浜市)の工藤誠一校長が著した『VUCA時代を生き抜く力も学力も身に付く 男子が中高6年間でやっておきたいこと』(KADOKAWA)が発売されました。

先行きが不透明で将来の予測が困難な「VUCA(ブーカ。英語の変動性、不確実性、複雑性、あいまい性の頭文字をとった造語)の時代」といわれる現代。聖光学院は2024年の東大合格者数が100人となり、注目を集めました。塾に通う生徒は少なく、学校でOBが勉強を教えてくれるなど、面倒見のよい学校としても知られています。
工藤校長は、机上の学習だけでなく、実用的な目的から離れたリベラルアーツを基盤としたカリキュラムを増やしたり、仲間との体験的な学びに注力したりといった学校改革を実現してきました。
本書では、子どもに親としてアドバイスできることは何か、どう支えたらいいのか、何を身に付けさせたら生き抜いていけるのかなどについて、工藤校長の考えがまとめられました。
ベースとなる学力はもちろんのこと、中学・高校の6年間をかけて「変容する力」「立ち直る力」「思考する力」を養うこと、芸術や自然科学、人文科学、社会科学といった分野の横断的知識が必要であること、子ども自身が主体性を発揮して一つのことをやり切った体験が重要であることなどが記されています。
聖光学院の教育のエッセンスが詰まった1冊となっています。

聖光学院の中高6年間のカリキュラム。学習指導要領のほかに、工藤校長の学校改革を経て、リベラルアーツや聖光塾など、非認知能力を育むカリキュラムを多数実施している。
【目次より】
Chapter01 息子の態度や考えていることがわからなくなったら
Chapter02 自立を促す中高生男子との家庭での関わり方
Chapter03 学校での思考する力・変容する力・立ち直る力を育む取組み
Chapter04 子も親も変容し続ける力が新時代を生きる鍵に
Chapter05 人や芸術との触れ合いが予測不能の困難から立ち直る力を養う
Chapter06 自ら思考する力で大学受験も社会も過渡期の時代を生き抜く
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