
4月は新しいことが始まる月なので、普段よりさらにいろいろなことが気になりがちです。勉強にはついていけているのか? お友達はできたのか? 先生はどうなのか? 他の子はどこまでできるのか? などなど。
1年生はまだまだ言語化ができないことが多いし、高学年になればプレ思春期もあって、だんだん返事も短くなっていく。
ついつい、いろんなことを先回りしてやってしまいがちなのです。だって困ったことになってほしくないし、遅れもとってほしくない。大人の経験則から「こうすればいい」が「分かっている」からなおさらです。
これも親の愛ですよね。そんな時に学校から「見守ってあげましょう」と言われると、「そうは言っても……」って思っちゃいます。
子育てで一番難しいことかも
ちょっと頑張ればできそうなことはまずやらせて、できないようなら助ける。確かにこれを実践したら子どもは「やればできる」という自己効力感、「できた自分はすごい」という自己肯定感、「今度も自分でやろう」という主体性、「もう少し頑張ろう」という諦めない力など、ありとあらゆる非認知能力(幸せに生きていく力)が育まれていきます。
そうは言っても、できるまで待つって難しいです。私もよく娘に「1人でできる!」なんて言われていました。ではどうやったら見守る親を実践しやすくなるのでしょうか?
私が「娘に集中しすぎているな」と思った時に実践したことをご紹介します。それは、忙しくして物理的に「やってあげる時間」を減らすこと! だから9月(アメリカの新学期)になるとよく、新しいことやずっとやりたかったこと、スキルアップなどを始めていました。
子どもに集中していた時間をちょっとだけ自分に向けてあげると、自分の時間もできるし、子どもは子どもで自分で頑張る時間になるので、実は手抜きどころかとってもウィンウィンなのです。
この4月、みなさんも何か新しく始めてみませんか?

ボーク重子
ライフコーチ。Shigeko Bork BYBS Coaching LLC代表。福島県出身。大学卒業後、外資系企業に勤務。退職後、イギリスの美術系大学院で美術史を学ぶ。結婚後アメリカに渡り、アートギャラリーをオープン。著書に『子育て後に「何もない私」にならない30のルール』(文藝春秋)など。
(朝小かぞくの新聞2025年4月20日号)