くまやうさぎなど、少しおとぼけなキャラクターのほっこりする日常をえがいた4コマまんが「#消しかす。日記」(毎週土曜連載)。作者のまりんさんは中学3年生のときに、「#消しかす。」のキャラクターを誕生させました。キャラクターや連載にかける思いを聞きました。(重政美穂)

消しゴムで消せそうなゆるさ
スポーツ万能だけど、ねぼすけのくま。絵をかくのは得意だけど、ジャンプが苦手なうさぎ……。


まりんさんが生み出した「#消しかす。」のキャラクターたちは、親しみやすい見た目とどこかぬけている性格で人々を和ませます。そのコンセプトは「消しゴムですぐに消せちゃえそうなゆる~いキャラクター」。生き物や食べ物など、40種類以上のキャラクターがいます。
「#消しかす。」のキャラクターをかきはじめたのは中学3年生のとき。ノートのはしにかいた動物の落がきがきっかけでした。
SNSのインスタグラムにイラストや、粘土で作ったキャラクターを投稿すると「かわいい」などのコメントが寄せられ、フォロワーが徐々に増えていきました。高校生クリエーターとして活動し、全国の百貨店で販売イベントやサイン会を実施。大学に進学すると、「株式会社消しかす」を立ち上げました。
日常からヒント
今年3月に大学院を修了し、4月から朝小の4コマまんがを連載しはじめました。
くすっと笑えてほっこりするお話は毎回、どのように考えているのでしょう。「日常でおきた『あるある』や『ちょっとした違和感』からヒントを得ることが多いです」とまりんさん。また、自身の失敗談やニュースなども参考にしているそう。「うさぎの二刀流のお話(5月17日付)は、野球のニュースを見て思いつきました」
ちなみに、まりんさんの今の推しキャラは「きょ~りゅ~」です。「きょ~りゅ~のちょっとまぬけなところがいとおしいです」

得意なことと苦手なことを設定
小学生のころから絵をかくことが好きだったまりんさん。「少し人見知りだったけど、自分がかいた絵で友だちが笑ってくれるのがうれしくて、それが今につながっている」とふり返ります。キャラクターに囲まれて育ち、特に「たまごっち」や「ハンギョドン」に夢中になりました。
自身がえがくキャラクターには、大切にしていることがあります。それぞれのキャラクターに得意なこと以外に苦手なことを設定することです。キャラクターを通して、子どもたちには「『完璧じゃなくてもいいんだよ』ということを伝えたい」と話します。
「#消しかす。のキャラクターたちは、ちょっとどんくさいけど、みんな自分の生活を楽しんでいる。読んでくれる人が少しでも自信を持ってくれたらうれしいです」
今後の展開について、「絵本やアニメなど、#消しかす。の世界をもっと広げたい。海外の人にも知ってもらえれば」と話します。
東京・渋谷でイベント
カプセルトイのぬいぐるみや子ども服など、グッズも人気の「#消しかす。」。7月5日から8月12日まで、ハンズ渋谷店(東京都渋谷区)でイベントがあり、グッズが販売されます。


まりん
2000年生まれ、東京都大田区出身。中学の時にオリジナルキャラクター「#消しかす。」を生み出す。ハンドメイドを通じて高校生クリエーターとして活動。19年に「株式会社消しかす」を設立した。23年に書籍『#消しかす。FANBOOK』(宝島社)を出版。
(朝日小学生新聞2025年7月3日付)