
このコラムは、子どもの「自己肯定感」を育てたいと思っているご家庭へお届けします。
逆境をはねのける「レジリエンス」を身につける
人は、誰でも失敗や挫折をして、苦しい経験をするもの。親は、子どもがそれらを克服する心の強さを身につけてほしいと、願っていると思うのです。それに直結するのが「レジリエンス」。困難や苦境からの回復力です。
レジリエンスは、「落ち込まない」「心が折れない」という強さではなく、「逆境から再起するしなやかな強さ」というニュアンスです。
自己肯定感は、レジリエンスを発揮するための心の土台です。同じ困難な状況に置かれても「もうダメだ…」と落ち込み絶望する人と、「何とかなる。やってみよう」と、前向きに考えられる人がいます。何がどう違うのでしょう?
一つには、ものの見方が違うのです。
今回紹介するワークでは、ネガティブな状況のときの心の切り替え方を練習してもらいます。「○○してよかった」と声に出すことで、気持ちがちょっと前向きになります。そして「どうしてかっていうと」理由を自分で考えることで、別の視点でものを見るトレーニングになります。
また、子どもばかりでなく、大人にとっても発想を逆転する練習になりますので、あなたの自己肯定感もアップ! ぜひ子どもと一緒に考えて、伝え合ってみましょう。子どもは親の考えを聞くのが好きです。親子のコミュニケーションも弾みますよ!
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「失敗してよかった」と声に出してみる
失敗したり、思うようにならなかったりして、気持ちがドーンと落ちてしまうこと、あるかな? 自信がなくなっちゃうよね。
キミだけじゃない。親や先生、大人たちだっていっしょ! だれでも、マイナスの気持ちになることはあるよ。そこからどう復活するか、が大事なんだ。
今回は、マイナスの気持ちになったときに、プラスの気持ちに切り替えるトレーニングをしてみよう!
よくないことがあっても「○○してよかった。どうしてかっていうと」と声に出してみること。その後に、理由も考えて言うんだよ。頭からしぼりだして理由を考えるんだ。笑っちゃうような理由だってかまわない。
ことばに出して言ってみると、一発逆転! 前向きな気持ちになって、心が軽くなる。別の考え方がいっぱいできるようになったら、キミはバージョンアップしてるよ!
どんなことがあっても「いい経験をした」に変えられちゃう。たとえ困ったことがあっても「乗り越えよう!」って、勇気がわいてくる。やってみてね。

ワークシートはこちらからダウンロードできます→https://www.asagaku.com/2023/worksheet08.pdf
高取しづか
ことばキャンプ主宰。アメリカで生活した折、日本と欧米のコミュニケーションスキルの差に危機感を覚え、研究活動を行う。帰国後NPO法人JAMネットワークを結成。「ことば力」と自己肯定感を育てることばキャンプを推進し、全国で1万人以上に講演・研修活動を行う。著書多数。
高取しづかのブログ https://ameblo.jp/t-shizuka
ことばキャンプ http://kotobacamp.com/
(LINE NEWS2023年3月22日配信)

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