
打っても投げても超一流――。「そんなこと、できるはずがない」という声も多かった二刀流を大谷翔平選手(29歳)は実現しています。自分で「限界」をつくってはいけない。そんなふうに、高校時代の恩師から教わりました。
大谷翔平物語~打つ、投げる、楽しむ~(2)
花巻東高校時代
大谷選手の潜在能力や可能性がみがかれていったのは、岩手県にある花巻東高校時代でした。
2010年の高校入学時は60キロ台の体重。現在の筋肉隆々な姿から想像できないほどに体の線は細かったのですが、すでに190センチ近い背丈で、その高い身長をうまく使いこなしたばつぐんの身のこなしには、投げて打って、さらに走る上で大きな才能を感じたものでした。
たとえば高校2年生の秋、両翼100メートルの球場でライトポールのはるか上を越え、場外へ消えていく打球を放ったことがありました。ピッチャーとしては3年夏の岩手県大会で、当時のアマチュア最速となる160キロを記録して規格外のパフォーマンスを見せました。

思考力・行動力で成長
ただ、すべてが大谷選手に備わる高い身体能力だけで成し得たものとは言い切れません。肉体と技術のアドバンテージに加え、彼の野球に対する思いと取り組み、つまりは「思考力」と「行動力」が、大きな成長につながったのです。
現在も花巻東高校野球部を率いる佐々木洋監督(48歳)は、言葉が持つ力を考え、選手への言葉かけを大切にする指導者です。かつて、佐々木監督はこんな話をしてくれたことがあります。
「私自身、これまで歴史上の人物や出会った方々の言葉に影響を受けてきました。よく『言霊』と言いますが、一つ一つの言葉に魂をゆさぶられることがある。だから、私が影響を受けた言葉をすぐに生徒たちにも教えてあげたいと思うんです」
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