
このコラムは、子どもの「自己肯定感」を育てたいと思っているご家庭へお届けします。
自己肯定感を育てる声かけを
自己肯定感は、年齢と共に変化します。
子ども自身が「自己肯定感」の概念を持てるのは、脳の前頭前野の発達が始まる5歳くらいからと考えられます。幼児期はどんどん自己肯定感はあがっていきます。
ところが、心理学で「10歳の壁」と呼ばれる時期になると、自己肯定感はいったん下がり始めます。自分を客観的に見ることができるようになるからです。この傾向は諸外国でも共通していて、世界の調査でも10歳以降しばらく低下しますが、その後上昇します。
問題なのは、日本の青少年の落ち込み方はとてもひどく、自己肯定感はそのまま低空飛行が続くということなのです。世界の中でも日本の青少年の自己肯定感の低さが問題となっています、ですから、自己肯定感を伸ばせるうちにピークを高くしておくことが大切なのです。小学生のうちに自己肯定感を育てる声かけ、かかわり方をしておきましょう。
【お子さま向けはこちら】
「できたね日記」を書こう
今回は「できたね日記」に、「できたこと」「がんばったこと」を自分で書き出してもらいます。だれかとの比較ではなく、自分ができるようになったことを探し、確認するためです。
できて「あたり前のこと」「ささいなこと」でいいのです。気をつけていただきたいのは、「できたこと」「がんばったこと」のハードルを下げること。親の期待値が高いと「できたこと」をたくさん見つけられませんよ!子どもをはげましながら、「できたね日記」を続けてみてくださいね。
自信をつけるのに邪魔をしているのは何だと思う?
それは、ほかの人と比べることなんだ。
「あの子よりも、テストの点数がよかった」「かけっこは、勝った」
キミは、いつもまわりのだれかと自分を比べていない?
「自分の方が上」と思っていても(優越感っていうんだ)もっとできる人がいると、かんたんに「自分の方が下だ」(劣等感っていうよ)というように変わってしまうんだよ。
ホントの自信を持つために、比べるのは前の自分!少しずつでも前にすすめばいいんだ。
「できたこと」「がんばったこと」を書き出してみよう。どんな小さなことでもいい。「こんなことができた」「がんばった」ということを「できたね日記」に書いてみよう。自分に〇をあげよう。

高取しづか
ことばキャンプ主宰。アメリカで生活した折、日本と欧米のコミュニケーションスキルの差に危機感を覚え、研究活動を行う。帰国後NPO法人JAMネットワークを結成。「ことば力」と自己肯定感を育てることばキャンプを推進し、全国で1万人以上に講演・研修活動を行う。著書多数。
高取しづかのブログ https://ameblo.jp/t-shizuka
ことばキャンプ http://kotobacamp.com/

「朝小プラス」は朝日学生新聞社が発行している朝日小学生新聞のデジタル版です。毎日読むことで読解力アップ!