
このコラムは、子どもの「自己肯定感」を育てたいと思っているご家庭へお届けします。
『自分のことをどのようにとらえているのか?――』 自己肯定感を伸ばすためには、自分への見方を肯定的に変えていくことが大切です。今回は短所というネガティブなことばを、ポジティブなことばに変換する方法をお伝えします。
ネガティブなことばをポジティブに変換するのは、大人でも最初は難しいでしょう。しかし、やっていくうちにコツのようなものがわかり、楽にできるようになります。
これは「リフレーミング」と言われる技法です。リフレーミングとは、今まで見ていた角度とは違う角度から見ることで、枠組み(フレーム)とは違うポジティブなとらえ方をしていくという発想の転換法です。発想の転換ができるようになると、たとえ、ネガティブな状況であっても、視点を変えて心に余裕ができれば、前向きに取り組むことができるでしょう。
〈短所〉から〈長所〉への変換例
しつこい → 粘り強い、根気がある
うるさい → 元気、明るい
のんびりしている → 余裕をもっている、おおらか
がんこ → 意志がかたい、自分をもっている
理屈っぽい → 論理的である、語彙(ごい)が豊富
だらしない → おおらか、細かいことは気にしない
ドジ → いやし系、周囲をほっとさせる
強引 → リーダーシップがある、意志が強い
おこりっぽい → 感情が豊か、自分がはっきりしている
子育てにイライラしているあなたにおすすめ
もし、あなたが子どもの短所ばかりが気になってイライラしたり、子育てにネガティブになってしまったりするのでしたら、特におすすめの方法です。今まで「短所」と思っていた子どもへの視点が変わり、あなたの気持ちが楽になる効果があります。
毎日言われていることばや、親からの自分への「評価」が、子どものセルフイメージを作ります。10歳までの自己肯定感のピークを高くしておくうえでも、ぜひ親子で楽しみながらことばを探してみてくださいね。
【お子さま向けはこちら】
今回は短所というネガティブなことばを、ポジティブなことばに変換する練習です。子どもが自分の短所を言い換えているうちに「考えてみると、自分ってなかなかいいね!」と思えればしめたものです!
短所を長所に変換してみよう
例えば「気が弱い」という短所がある。このことばの見方を変えて、プラスことばに変換してみよう。難しそう? 頭の体操のつもりでトライ! 「気が弱い」を言いかえると、「やさしい」とか「デリケート」って言えるよね。こんな風にプラスことばに変換する練習を何度もやっていくうちに、慣れてくるんだ。
キミは、自分の性格で「イヤだな~」と思っているところはあるかな? 書き出してみて、プラスことばに変換! 短所だったのに、長所に思えてくるから。そこはキミらしさ、かもしれない。自分に自信をもてるようになってくるよ。

ワークシートはこちらからダウンロードできます→https://www.asagaku.com/2023/worksheet05.pdf
高取しづか
ことばキャンプ主宰。アメリカで生活した折、日本と欧米のコミュニケーションスキルの差に危機感を覚え、研究活動を行う。帰国後NPO法人JAMネットワークを結成。「ことば力」と自己肯定感を育てることばキャンプを推進し、全国で1万人以上に講演・研修活動を行う。著書多数。
高取しづかのブログ https://ameblo.jp/t-shizuka
ことばキャンプ http://kotobacamp.com/
(LINE NEWS 2022年11月30日配信)

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