Hさん(東京都・4年)の疑問

ペットボトルの水やサイダーを飲みます。ペットボトルの容器はどうして種類によって形がちがうのか知りたいです。

サントリーホールディングスサプライチェーン本部 包材部 課長 齋藤義弘さんの回答

ペットボトルに入っている飲み物の種類によって、形がちがうところがあります。たとえば、炭酸飲料は底の部分が特徴です。炭酸ガスの圧力にたえられるようにするため底を厚くしています。

炭酸の有無で形や厚みにちがい

清涼飲料水などを製造・販売しているサントリーホールディングスの齋藤義弘さんが質問に答えてくれました。

日本では1980年代前半に、清涼飲料水にペットボトルが使われるようになりました。食品衛生法にもとづく容器の基準が改められたためです。その後、ペットボトルの飲料は広まっていきました。

ペットボトルの原料は、石油からつくられるポリエチレンテレフタレートと呼ばれる樹脂です。

樹脂からそのままペットボトルの形にするのではなく、まずプリフォームと呼ばれる試験管のような形をつくります。それを加熱してボトルの金型に入れてのばすなどしてボトルの形にしていきます。

ペットボトルの形になる前のプリフォーム。これに熱を加えてペットボトルの形にします

ガスの圧力を考慮

ペットボトルは種類によって形がちがうところがあります。たとえば、炭酸飲料に使われるボトルは、底の形に特徴があるといいます。炭酸ガスの圧力にたえられるようにするため、底部を厚くします。花びらのような形の足をつけて、ボトルが立つようにしています。

一方、水が入ったボトルの底は、炭酸飲料のボトルに比べると平らになっています。

また、炭酸飲料のボトルは胴の部分が丸っぽくなっています。全体的に均一に圧力がかかることでふくらみをおさえようとしています。

かたさにもちがいがあります。炭酸飲料のボトルはかためで、つぶれないようなものにします。

水が入った商品の中にはやわらかくて、手でつぶしやすいものもあります。炭酸を使わないので、うすめにつくることができるといいます。

リサイクルにも関心を 軽さや持ちやすさ追求

サントリーでは、お客さんがペットボトルをより使いやすいように工夫してきたといいます。たとえば、2リットルサイズのペットボトルには手で持つ部分にくぼみをつくり、持ちやすいようにしているそうです。

また、より軽いペットボトルの取り組みも進めてきました。たとえば、「天然水」のボトルの重さは、以前は500ミリリットルで20グラム以上ありましたが、今では550ミリリットルで11.9グラムになっています。

資源を有効に使うため、リサイクルも進めたいといいます。捨てるときに分別しても、よごれていると資源としてリサイクルができません。

外出したときにペットボトルを捨てるときは、飲み終わってから捨てましょう。

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回収箱にごみはダメ

また、自動販売機の横などに空き容器専用の回収ボックスを見かけることがあると思います。このボックスは、リサイクルするための資源として集めることを目的に設置されています。ごみ箱ではないので、決められた容器以外のものは入れないようにしましょう。

齋藤さんは「小学生のみなさんには、いろいろな味の飲み物を楽しんでほしいです。リサイクルにも関心を持ってくれたらうれしい」と話しています。

(朝日小学生新聞2022年10月25日付)