
読者から寄せられた疑問を編集部が調査するコーナーです。今回は島根県の小学2年生、Mさんから寄せられた「成長痛ってどうして起こるの?」という質問に答えます。
Mさん(島根県・2年)の疑問
私は夜に足が痛くなることがあります。お母さんに「成長痛じゃないの?」と言われました。成長痛ってどうして起こるの?
いしがみ整形外科クリニック 院長 石神等さんの回答
成長痛は子どものひざや太もも、ふくらはぎなどにみられる痛みのことで、原因はよくわかっていません。ストレスだと考えられていて、自然に治ることもありますが、心配な時は病院に相談してみてください。
ストレスと体調管理する神経が関係?
成長痛はなぜ起こるのか。埼玉県川越市にあるいしがみ整形外科クリニックの石神等院長(45歳)に聞きました。
成長痛とは、主にひざや太もも、ふくらはぎなどの下肢にみられる痛みのことで、赤ちゃんから小学生、中高生を中心にみられる症状です。
成長痛がおこりやすい場所

石神さんは、「成長痛についてはよくわかっていないこともありますが、子どものストレスからくると考えられています」。いやなストレスだけでなく、楽しかった時や、つかれた時など「日常とちがうインパクト」も影響するといいます。
夜や朝に痛みがち
ストレスが足の痛みとしてでてくるのは子ども特有のことで、大人にはほぼみられないそうです。20年間子どもたちを診察してきた石神さん。成長痛の特徴の一つは「ずっと痛いわけではなく、家でゆっくりしている夜や朝に痛みがでること」だといいます。
一方で、学校にいる時や運動中は痛みがでることが少ないそうです。その理由について石神さんは、体調を管理する「自律神経」が関係しているのではないかと考えています。石神さんのクリニックにやってくる子どもの1割ほどが、成長痛と診断されるそうです。
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冷やす、温める… 「心地よい刺激」が効果的
成長痛は痛みに波があり、レントゲンや超音波検査で骨と筋肉に異常がみられない場合などに診断されます。自然に治ることもありますが、石神さんは湿布や痛みどめの薬をだす時もあります。通常であれば3か月ほどで痛みはひいていくそうです。「薬で痛みをやわらげることができ、患者さんが安心すると治っていくことがあります」
石神さんは「心配な時は受診してほしい」としたうえで、痛みを感じた際には、人によって痛いところを冷やしたり温めたりして、「心地よい刺激」を与えるのが効果的といいます。「お風呂に入ると楽になるという人もいます。優しくさすったり、マッサージしたりするのもいいでしょう」
ただし、常に痛みがあったり、はれなどの炎症がみられたりする場合は注意がいります。別の病気の可能性があるため、「専門の先生にみてもらう必要があります」。
成長痛の主な特徴
- ひざや太もも、ふくらはぎなどの下肢に痛みを感じる
- 家でゆっくりしている夜や朝などに不定期な痛みがでる
- はれや炎症がなく、骨や筋肉にも異常がみられない

スポーツ障がいも注意
年間に5~6千人の子どもたちをみているという石神さんは、最近ある変化を感じています。成長痛ともよくまちがわれるスポーツが原因のけが、「スポーツ障がいが増えている気がします」。コロナ禍が影響しているのでは、と石神さんは考えています。
「スポーツ障がいはかたややこしなど重要な部分に痛みがでてしまいます。運動する機会が減ったことで子どもたちの運動能力や柔軟性が落ちていると思われます」。小学生には「散歩など、日常のなかで外にでる機会を増やしてみてください」と話します。
(朝日小学生新聞2023年1月24日付)

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